■前項で、喜界島から飛行機で戻ろうとして、
その日の5つの便がすべて欠航になったことを述べた。
最後の便の欠航が確定して、
空港に預けてあった荷物を引き取ったのは17:30頃であった。
■翌日までに帰らなければならないので、
唯一の可能性は海路しかない。
そこでレンタカーの会社の人から得た情報は、幸いその日に限って、
夜に鹿児島行きのフェリーが出るということだった。
ただし、それは翌日の9:00過ぎに鹿児島に着くということだった。
本来の予定より遅すぎるが、
いつ出るか分からない飛行機を待つよりも、
より確度の高い選択をするために、その可能性に賭けることとした。
■写真は「湾」という地名の場所にあるフェリーの切符売り場。
外から見えると分からないが、
建物の右端の人の姿が見えるところの内部が切符売り場になっている。
21:40発予定のフェリーの切符を買って、
人気の全くない港で、4時間以上を寂しく待つこととした。
■ちょうどこの日は、引っ越しの人たちが多い時期で、
引っ越し荷物のコンテナを積むのに、手間取るかも知れないと聞いた。
その作業が遅れた分、鹿児島への到着も遅れることになる。

[070401]鹿児島県大島郡喜界町。喜界空港。
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■喜界島での調査を終えて、さあ、奄美大島経由で東京に戻ろうと
空港に行って、びっくり。
何と昨日来、飛行機がすべて欠航となっていたのだ。
■その理由は、空港の上空の視界不良。
飛行機は喜界島まで来るのだが、有視界着陸をするしかない離島では、
空港が見えない場合は、しばらく喜界島の上空を旋回した後、
事態が改善しなければ、そのまま乗客を乗せて離陸した空港に戻るしかない。
■喜界島とつながっている空港は奄美空港と鹿児島空港。
結局、この日の最後の便であるJAC3834にすべての期待がかけられた。
しかし、この便も、奄美大島から喜界島まで飛来し、
轟音を轟かせながら喜界空港の上を飛んでいたようだが
(音はすれども姿は見えず)、
やがて、乗客を乗せたまま奄美大島に戻って行った。
■実際には、前日の夕方、喜界島の中央にある高台を走っていたとき、
数メートル先すら見えない濃霧に襲われていた。
当日はそれほどひどくはないものの、
飛行機が着陸するには不十分な視界だったのだ。
その背景に、中国から黄砂が盛んに飛来している真っ最中だったことも
関わっていると、一部の人から聞いた
(しかし黄砂と濃霧の関係に関しては不明)。
実際、4月1日前後は、鹿児島から群馬県にかけて、
最も黄砂が盛んに飛来した時期であった。
黄砂が多く飛ぶのは、冬の温暖化と関係があるとされる。
■・・・いずれにせよ、この日に、飛行機でこの島を出て東京に戻る予定は潰(つい)えた。
その上、翌日も事態が改善する保証はない。
困った、困った。
・・・という訳で、
唯一の脱出の可能性を追求することとなったのである
(この項、続く)。

[070401]鹿児島県大島郡喜界町。喜界空港。
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■写真は喜界島の「湾」という地区の交差点を示す。
信号が写っているが、ここには他の類例がない特徴がある。
それはここがこの島の唯一の信号のある交差点であるということだ。
言い換えると、喜界島の他の場所には信号というものがない。
まだ私が喜界島に行ったことがない頃、テレビで、
「ある島に生徒さんの教育のために信号機が初めて設置された」
というニュースを流していた。
日本にはまだ信号機がない島があったのか、とちょっと感動したのだったが、
喜界島に頻繁に行くようになってから、写真のこの信号機こそが、
以前ニュースで見た「島で唯一の信号機」だと分かって、
新たに感動を深めたのだった。
この信号の2つ目の特徴は、押しボタン式であるので、
押す人がいなければいつも青であるということ。
さらに3つ目の特徴は、通常の交差点であれば、
4方向に向いた信号機がそれぞれ一つずつあるものだが、
ここには写真で見える2つしかないということだ。
すなわち、左右方向から出て来る車には、信号は見えないので、
実際には、この信号機は交通安全のためには役立っていない。
あくまでこの信号機は
「信号というのはどういうものかを教える教育のため」の装置なのだ。

[070401]鹿児島県大島郡喜界町。湾。
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上越新幹線から見た前項の晴れた日の写真を撮影した午後、
群馬県の上毛高原に行って、林道前山線を走った。
埼玉県の平地ではあんなにも晴れてのどかな風景だったのに、
群馬県の林道を登り始めたらみるみるうちに天候が変化して、
突如雪が降り始めた。
写真は林道前山線の金比羅峠近くの杉林の様子を撮影したもの。
雪が杉の枝に積もり初めて、まるで冬の日の様子を撮影したようだ。
実際には東京でも19年ぶりに雪が舞った日の出来事である。
日本の上空には-36度以下の冷気の気団が南下して本州中部に達して、
それにより雪が降ることとなった。
この雪が降った後、再び、晴れた夕方が訪れたことも記録して起きたい。
これに限らず今年は次々と記録破りの異常気象が訪れそうな気配がある。
このような時こそ、
平素より丹念に記録写真を撮ることには意義が生まれるかもしれない。

[070402]群馬県吾妻郡高山村。
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写真は上越新幹線沿いの西側の風景の一つ。
中央の黄緑の畑は麦畑で、
若々しい麦が成長を開始しているのが分かる。
右側の遠くの山々は埼玉の山地。
手前の丘は、雑木林で覆われているが、
一部にサクラが開花しており(白いところ)、
茶色いところは落葉樹だが、色調が芽生え前後の色になっている。
手前のたくさんの白い筋は育ち始めの野菜の成長を促す工夫であろう。
畑の畝に植えた何かの苗を守っているのである。
伸びやかな春らしい季節の到来を示している。

[070404]埼玉県。
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しばらくの間東京を離れていたため、
桜に関して東京の開花と満開とは目撃できなかったが、4月2日に東京に戻り、
ソメイヨシノがまだ十分に開花して輝いている場面に接することができた。
桜の枝の周囲にはスズメの鳴き声が満ちていた。
このときはいなかったが、おそらくヒヨドリ(鵯)も訪れているのであろう。
写真の背後は楠であるが、楠には若葉が萌え出ようとしている。
いよいよ春らしくなって来た。

[070402]東京都文京区千駄木。バラ科サクラ属ソメイヨシノ。学名Prunus × yedoensis (異説あり)。ソメイヨシノはエドヒガン系のコマツオトメとオオシマザクラの交配で生まれた園芸品種という。
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ハマヒルガオは日本全土に分布する海岸の植物である。
砂浜に生えるつる性の多年草。
茎は砂の上を這い、地下には長い根茎を伸ばして繁殖する。
葉は向こうでやや厚く光沢がある。
花は葉腋に一個付く。花は淡紅白色で、
花冠内部には黄色に染まったくぼみがある。
このくぼみに蜜があり、虫を呼ぶ。
■喜界島の海岸には、比較的近い場所に、
グンバイヒルガオとハマヒルガオとの両方が観察できる。
本州よりも早く3月には開花している。
グンバイヒルガオに関しては、以下の本ブログの記事を参照のこと。
「サイパンの海岸にはグンバイヒルガオが繁殖している」
http://srs21.blog59.fc2.com/blog-entry-491.html
[070401]鹿児島県大島郡喜界町。喜界島。空港脇で撮影。
ヒルガオ科ヒルガオ属ハマヒルガオ(浜昼顔)。 学名Calystegia soldanella (L.) Roem. et Schult。
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■トカラ列島以南に分布するスミレの一種。
畑地、庭、路傍、草地などに普通に生える多年草草本。
花弁は長さが10-17mm。
花の色は淡い紅紫色から濃い紫色まであり、変化が多い。
花が白色のものをシロバナリュウキュウコスミレとして区別することがある。
■喜界島でも奄美大島でもよく見かける種である。

[070401]鹿児島県大島郡喜界町。喜界島。
スミレ科スミレ属リュウキュウコスミレ。学名Viola yedoensis var. pseudo-japonica。
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■ハマボッスは北海道から九州まで日本各地の海岸に分布する越年性草本。
高さは10-40cmになる。
葉は厚く肉質。葉の形は細長く先端部がやや幅広い(倒卵形または倒披針形)。
花は茎の頂上近くの葉腋に一つずつ付き、全体として総状花序をなす。
この形が仏具の払子(ほっす)に似ているので浜払子と呼ぶ。
開花は5-6月。
■写真は珊瑚礁が隆起して出来た喜界島の海岸の岩礁の上で撮影したもの。
土壌のほとんどない岩礁の上で円状の見事な花の集まりを形成していた。
喜界島では本州よりも一足早く3月下旬にハマボッスの見事な花序が観察された。
但し、成長の度合いは株毎に全く異なるので、
次々と時期をずらしながら、開花をしていく様子をかなり長い期間楽しめるそうだ。
ハマボッスが群落を作って開花を競っている様子は、
海岸植物の美しさの代表的な一例である。
開花の時期は奄美大島も喜界島もほぼ同時期である。

[070401]サクラソウ科オカトラノオ属ハマボッス(浜払子)。学名Lysimachia mauritiana Lam。鹿児島県大島郡喜界町(喜界島)の空港近くの海岸。
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