この記事は上下の連載からなり、「上」は筆者に関する内容でした。
■タイトル
「旅するチョウ アサギマダラから見た奄美
龍郷町・環境教育シンポジウム 上」
■サブタイトル 群馬パース大 栗田昌裕教授(56)
「アサギマダラは自然の鏡 奄美大島の一部で激減」
■ 時に2000キロにわたって日本列島を旅するチョウ・アサギマダラ。奄美にも春と秋に多くのアサギマダラが飛来するが、その生態は謎に包まれている。このアサギマダラを通して環境教育・環境保全を考えるシンポジウム「旅するチョウ、アサギマダラから見た奄美」が今月5日、京都大学21世紀COEプログラムと龍郷町の共催で開かれた。群馬パース大学・栗田昌裕教授、九州大学理学研究員・矢原徹一教授、京都大学大学院農学研究科・藤崎教憲治教授の3氏が行った講演を紹介する。
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アサギマダラとともに日本列島を移動しながら年間1万頭を超す個体にマーキングを行い、個体数の推計や生態調査を進める栗田教授。夏や冬といった通常では見られない期間中も、少数だが生体のアサギマダラがいることや、沖縄などではあまり寄りつかないイジュやムラサキカッコウアザミの花に大量に群がるなど、4年にわたる奄美での調査により、判明した奄美大島だけに見られる特徴を紹介した。、
「アサギマダラは一般には春は北東、秋は南西に向かって飛ぶと思われているが、これには多くの例外がある。環境を読むためには、しっかり観察することが大切。実際に触れて見て、実に不思議だと思うこと、自然の生き物をしっかり調べることで、今まで環境や周りのことを、ちゃんと見ていなかったことをに気づくことが大切」と語った。
また栗田教授は、アサギマダラの持つ飛翔力や嗅覚、強い生命力などの能力や魅力を紹介しながら、アサギマダラが自然環境の変化や人為環境の影響を鋭敏に受け止め、繁殖力の強い外来種などのみつを吸うなど、時には人の営みを利用しながら柔軟に生きていることを説明。道路整備など急速な開発による森林の分断や、ヤマヒヨドリバナなどの吸みつ植物の伐採などにより、奄美大島の一部でアサギマダラが激減していることを指摘した。
「草刈りや開発、台風、気温の変化、植物の変化などにより、毎年飛来する個体数が違う。アサギマダラは自然の窓であり、鏡。アサギマダラを調べると、他の生き物や、環境を理解することに役立つ。アサギマダラを、奄美大島をより深く知るきっかけにしてほしい」と呼びかけた。
【マーキング】 チョウの翅(はね)に印を付けること。印のついたチョウが別の場所で再び捕獲されることで、その個体の寿命や、移動の距離などを知ることができる。
■ <記事での画像の解説> 北海道南部から奄美、沖縄、台湾にかけて旅をするアサギマダラ=前園泰徳さん提供=

[070705] 講演に関する070722の大島新聞記事。
■この記事の続き(下)は、本ブログの記事:
08.2/15掲載「大島新聞でのアサギマダラ記事:『龍郷町・環境教育シンポジウム 下 旅するチョウ アサギマダラから見た奄美』 [070705。奄美大島]」
http://srs21.blog59.fc2.com/blog-entry-1286.html
で見ることができます。
■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●SRS研究所の公式HP
<参考HP>
●奄美大島の自然旅行体験(SRS研究所)
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
●2007年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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