アサギマダラのマーキングの11日目でした。
この日はSRS7181からSRS7585までの
405頭にマーキングをしました。
写真上はその途中で標識したSRS7400の画像です。

[080816] 福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山 グランデコスキー場。デコ平。
■16日の降雨確率は午前も午後も70%という予測でした。
午前中に、台風が伊豆諸島を通過し、
全国でも豪雨が予想されていました。
朝7:30頃にホテルのレストランの芝生の上を
一頭のアサギマダラが壁の方に向かって飛来し、
そこでターンをして別な方角に飛んで行く場面を見ました。
レストランの近くでアサギマダラを見るのは大変に珍しいことです。
また、ゴンドラに乗る前にも、
芝生の上を飛んでいくアサギマダラ2頭を見ました。
これも極めて珍しいことです。
平素は霧が山の上から下に降りて来るものですが、
この日は朝食中に霧が下から上に上がっていくのが見えました。
■ゲレンデに上ると、西大巓の上部は前日同様、朝から雲に覆われていました。
温度は24くらいあり、日差しもうっすらとありました。
降雨予想にも関わらず、昼過ぎまではそこそこの数を標識できました。
しかし、午後1時半過ぎににわか雨が降って来ました。
リフトの倉庫の屋根の中に逃げ込んで、雨をしのぎました。
その後、再度、雨が上がりましたので、標識をしましたが、
結局、雨がまたもや降り始め、
今度の雨はかなり長引きそうなので、16時に下山を決心しました。
結局、その雨は一晩中降り続けることとなりました。
雨が降るまでにかなり頑張ったので、405頭に標識ができました。
前日同様、標識中は蚊やぶよとの戦いでした。
■この日も相対的に標高の低いところのみで標識をしました。
■雌は27頭で、割合は約7%と前日に続いて低い値でした。
15%、15%、23%、16%、24%、24%、8%、6%、
と推移した雌比率の変動を見ると、
雨が降った3日間はいずれも雌比率が非常に低いこととなりました。
天候と雌比率との関わりをさらに調べる必要がありそうです。
■交尾痕のある雌個体は0頭でした。
■ヘアペンシルはSRS7316に認められました。割合は0.2%。
左側のみに出ていました。以上までの前例で、片方のみに出ています。
■翅の変形があったのは2例(SRS7208♂、7235♂、7238♂)。
割合は0.7%と低目の値です。
■「中古の個体」は0例。「古い個体」も0例でした。
■「病気」と思われる個体は0例でした。
■前日の8月15日に標識したアサギマダラのうち、
8月16日に再捕獲できたのは2頭でした。
前日放蝶した335頭に対して、本日は
2/405頭の割合で再捕獲されたことになりますから、
簡易な方法による前日の推定頭数は、
335×405/2=67838[頭]
となります。この計算に従えば、
8月15日(=前日)には約6万頭程度のアサギマダラが
「ゲレンデ周辺(見えないところも含めた仮想領域)」にいたと推定されます。
■8月の推定頭数は、1万頭程度から始まり、
次第に増えて2~3万頭前後になっていると示唆されていました。
今日も再捕獲の頭数が2例と少ないので、
上の方法による推定の信頼性は高くはありません。
推定値は大きすぎるように思われます。
別の推定法の結果を参考にしましょう。
■過去7日間(8月9~15日)と同様に、
日付を問わないで計算する別な推定法も行ってみましょう。
8月6、7、8、9、10、11、12、13、14、15日の
日付がある再捕獲個体の数(=本日再捕獲した個体数)を合計すると、
1+5+9+4+4+4+6+7+0+2=42頭でした。
昨日までの累積標識頭数は
7585-3326=4259頭でした。これから、
4259×405/42=41068頭[=約4万頭]
という推定値が出ます。
8月14、15日の両日の推定値はほぼ3万頭でした。
2つの方法でより高い推定値になりましたので、
16日には本当に増えた可能性が出て来ました。
[注:本ブログでは推定値の誤差に関する詳細な議論は省きます]。
この時期にもグランデコにさらに集まって来つつある可能性があります。
■白い部分が多い個体(白い部分の斑紋模様が派手に見える個体)
は前日よりもさらに増えたように感じました。
■鱗粉のある場所の全体が普通より黒っぽい個体も増えています。
■グランデコのスタッフが行うアサギマダラ観察会は一日中止をしただけで
毎日行われています(ただし、日曜日は筆者が指導予定)。
■筆者以外の人が標識した個体は8月16日には9例再捕獲しました。
■8月17日も雨天になる確率が70%と予想されています。
連続4日雨が降ることになり、困難な状況が続きます。
■8月13日に雨が降って以来、植物の背丈がぐんぐんと伸びています。
8日16日には急速に背丈が伸びていたヤマニガナの花茎が開花しました。
■8月中旬のお盆休みの頃にグランデコスキー場の天候が乱れるのは
例年のことですが、明日で終わりになることを願っています。
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●SRS研究所の公式HP
<参考HP>
●グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
●2008年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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