■08年8月31日(日曜日)は、08年のグランデコスキー場での
アサギマダラのマーキングの27日目でした。
SRS12283からSRS12762までの
480頭を標識することができました。
[080831] 福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山 グランデコスキー場。デコ平。
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■全国的には大変な豪雨による被害が出ており、
福島県にも大雨が予想されていた一日でした。
福島県下では大雨による土砂被害が出ています。
そんな異常気象の中でも、
アサギマダラたちはけなげに活動して、
グランデコを舞台に、
成熟と移動のストーリーをつむぎ出しています。
■本日は起きたときは磐梯山に重層的な純白の雲がかかっており、
美しさに感動したのですが、朝食の間に雨が降り始めてしまいました。
■雨が弱まるまで時間を費やしましたが、
雨が少し弱まりましたので、
ともかくもゲレンデに行こうと、上がっていくと、
雨は降り続いていましたが、細かい雨で、
アサギマダラが高い空で舞い始めていました。
■ヨツバヒヨドリにはほとんど訪れていませんが、
コシアブラ(樹木)の花には数十匹が
ふわふわと舞ったり、止まって吸蜜したりしていました。
雨の降った後や雨が降っているときなどで、
ヨツバヒヨドリが吸蜜に向いていないときには、
コシアブラの方に人気があるようです。
集まっているアサギマダラの雄雌に
特徴があるかもしれないと思い、
5頭捕獲してみましたが、いずれも雄でした。
「特に雌がコシアブラを好む」といったことはないようです。
■やがて、雨が止み、ヨツバヒヨドリにもぽつぽつと
アサギマダラが寄って来るようになりました。
このときに、タオルを回して見ると、
全部ではありませんが、状況によって
タオルに反応する個体がありました。
通常、グランデコではタオル回しには反応しないので、
タオルキャッチをすることはありませんが、
渡りの時期の頃にはある程度成熟していますので、
タオル回しに反応するようになっているようです。
■グランデコで初めてリスをみかけました。
コシアブラの木を観察していたら、
不思議な鳴き声が聞こえ、
直後にその横にある山毛欅(ブナ)の幹を上っていきました。
途中で、止まったり、振り返ったりしたので、
たくさん写真を撮影することができました。
おそらく山毛欅の幹の上の方に住んでいるのでしょう。
■本日標識した480頭のうち雌は8頭で、比率は1.7%。
雌比率は前日よりさらに下がり、
この夏でもっとも低い割合でした。
■小さい個体は32頭で、6.7%であり、
相変わらず多い印象でした。
■病気の個体はありませんでした。
■「中古」個体は2例で、SRS12473♂、12575♂。
「古」個体はありませんでした。
「中古+古」を合わせて2例で、割合は0.4%でした。
■ヘアペンシルを出した♂個体はありませんでした。
■翅に変形のある個体はSRS12468、12678の2例
で、480例中の0.4%)で多くはありませんでした。
■本日の480例のうち、
前日の8月30日の標識のある個体の再捕獲は7例でした。
その日は前日は407例に標識をしましたから、
407×480/7=27909頭(=約3万頭弱)となります。
頭数が減った可能性を示唆します。
以下には、長期的に意味のあると思われる推定をしましょう。
■標識日を日付順にA、B、C、・・・とすると、各日の分の再捕獲は
A1、B0、C1、D4、E1、F3、G3、H2、I1、
J1、K3、L0、M6、N0、O2、P0、Q0、R0、
S7、T11、U6、V9、W3、X7
となり、その合計は
1+0+1+4+1+3+3+2+1
+1+3+0+6+0+2+0+0+0
+7+11+6+9+3+7
=16+12+43
=71例です。
筆者の標識した個体は累積で昨日までに8956例ですから、推定値は
8956×480/71=60547(頭)[=約6万頭]
となります。すなわち、
前日までには約6万頭程度のアサギマダラが
「ゲレンデ周辺(見えないところも含めた仮想領域)」にいたと推定されます。
■標識数480頭に対して、既標識個体は71頭ですので、
標識率は14.8%(約15%)でした。
■当日筆者が放蝶した個体の自己再捕獲は0頭でした。
■筆者以外の人が標識した個体の再捕獲は11例でした。
■白い部分が多い個体(白い部分の斑紋模様が派手に見える個体)
は減ったように見えています。例としては、
SRS12529♂、12572♂など。
■鱗粉のある場所の全体が普通より黒っぽい個体(黒化個体)の例は、
SRS12495(典型例)などで、28例記録されました
(比較の対照となる個体はSRS12402など)。
■小さい個体は32例ありました(小さい個体とは、
油性ペン「マッキー」のキャップの長さよりも前翅長が短い個体のこと)。
■茶色が非常に印象的な個体を見ました(SRS12623)。
これは赤でも黒でもなく、系統がやや異なる個体に見えました。
■前日、標識中に筆者やネットに寄って来た個体はありませんでしたが、
本日は、天候不良があった割に、寄って来る個体が目につきました。
SRS12324は、小さい個体ですが、
「ストーカー」のように周囲を飛び回りました。
一般に、このような行動をするのは、新鮮で
大きさは標準かやや大きい個体がほとんどですが、
SRS12324は珍しい例と言えます。
SRS12327もストーカーのように飛び回りました。
これはネットで捕獲して標識しました。
SRS12404も同様に、ストーカーのように飛びましたが、
ネットで捕獲し、標識しました。
このようなストーカー個体は、8月の下旬になると見られるものですが、
今年はその発現が5日間くらいは遅くなりました。
■昨日(8月30日)は、「自己再捕獲の頻度を見ていると、
再捕獲の頭数が少ないので、
グランデコにいたかなりの数のアサギマダラが、
すでに移動したかもしれない、と感じ始めました」と述べましたが、
本日も同様に感じました。
特に、アサギマダラ観察会で標識された個体がかなりあるのですが、
その再捕獲が非常に少なくなったのを見ると、
それらの多くはすでに南方に渡ったことを示唆しているように感じます。
■SRS12325やSRS12457は、
コシアブラで吸蜜していた個体ですが、
吸蜜の様子が撮影されています。
■SRS12411やSRS12497は、
アザミの花で吸蜜する様子が撮影されています。
アザミはアサギマダラの好きな植物ですが、
今年はこの日に初めてアザミで吸蜜しているのが目撃されました。
これはアザミのゲレンデでの開花が例年とり遅れているからです。
グランデコには複数のアザミがありますが、
優勢なものはトネアザミと言われています。
■ゲレンデや標高1000mあたりでは、
下山の頃にもなると秋の虫がたくさん鳴き始めています。
今日は邯鄲(カンタン)の声を聞いたように思います。
8月の下旬の始め頃までは、
日中はひっきりなしにウグイスやホトトギスが鳴いていますが、
23日以後は、ウグイスもホトトギスの声もぱったり聞かなくなりました。
そのかわり、チョッチョッ(またはチッチッ)と鳴く小鳥が増えています。
ギャーギャーと下品な鳴き方をする鳥もいます。カラスもよく見ます。
植物も、それを含む他の生物たちの変化も、
季節の推移を実感させてくれます。
■明日の9月1日(月曜日)の天気予報は「終日雨傘マーク」です。
地域の降雨確率は30%となっています。
今日のホテルへの帰着は20時前頃になりましたが、
昼間は雲が空を覆い、西大巓の頂上全体も雲の中にあったのですが、
日没の頃には青空が広く見えていましたので、
明日は今日よりもよい天候で始まることが期待されます。
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●
SRS研究所の公式HP<参考HP>
●
グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)●
3Dアサギマダラの世界(SRS)●
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■08年8月30日(土曜日)は、08年のグランデコスキー場での
アサギマダラのマーキングの26日目でした。
SRS11876からSRS12282までの
407頭を標識することができました。
■[080830] 福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山 グランデコスキー場。デコ平
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■この日は、全国で豪雨が予測されている日でした。
福島県の中通り地方も終日雨傘マークが並ぶ予報でした。
■グランデコスキー場は、曇り→霧→曇り→ひどいにわか雨
と推移しました。
そこで、雨が降るまでの時間に頑張ることで、
上記の標識を行うことができました。
雨が降ったところで、本日の標識は中止する決心をして、
いつもより早めに下山をすることとしました。
■本日の特徴は、雌個体が前日同様に非常に少ないことです。
■小さい個体は相変わらず多いことが特徴でした。
■病気の個体なし、「中古」個体なし、「古」個体なし、
ヘアペンシル個体なし、という状況でした。
■雌は12頭で、
交尾個体はありませんでした。
■ゲレンデのアサギマダラは霧や曇りや雨に敏感に反応して、
その活動を変化させていきました。
■自己再捕獲の頻度を見ていると、再捕獲の頭数が少ないので、
グランデコにいたかなりの数のアサギマダラが、
すでに移動したかもしれない、と感じ始めました。
データを詳細に検討して、いつからそれが始まっていたかを
考察するのはこれからの課題です。
■今日は雨が降っていない時間帯に、
3mほどの高さより上に咲いている1本のコシアブラの木の花に
50頭くらいのアサギマダラが吸蜜している場面を見る
ことができました。
雨の日にコシアブラに止まっているのはこれまでも見て
いましたが、雨の降っていないときにこれほど多くの
個体が群れているのを見るのは初めてのことです。
そもそもグランデコで過去4年間標識を続けていて、
コシアブラにアサギマダラが集まっているのを見ること
自体が今年の初体験ですから、
例年とは何か異なることが起きていると言えるのではないか
と思われます。
■驚くべき場面を目撃してしまいました。
アカガエルの仲間(正確な種名は不明。画像あり)が、
草に止まっているアサギマダラにぱくりとくいついて、
しばらく時間をかけて、そっくり呑み込んでしまったのです。
カエルがアサギマダラを食べる、ということはこれまで
考えたこともないことなので、大変驚きました。
その全経過を撮影できましたので、
いずれ画像を示したいと思います。
■下山したあと、まだ明るい時間がありましたので、
五色沼のひとつの毘沙門沼の入り口まで、ドライブをしました。
8月6日からグランデコに標識に来てから、
26日ぶりに1000m以下の「下界に」来たことになります。
毘沙門沼のほとりではひまわりやヤナギランとともに、
まだ紫陽花が咲いているのには驚きました。
■福島県では、おとといからの大雨で、
土砂崩れの危険性が指摘されており、
本日も大雨警報の中にあります。
雨はまだ続く、という予報の中にあります。
□この【速報版】記録はまだ不完全です。いつか補う予定です。
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
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■08年8月29日(金曜日)は、08年のグランデコスキー場での
アサギマダラのマーキングの24日目でした。
SRS11284からSRS11875までの
592頭を標識することができました。
[080829] 福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山 グランデコスキー場。デコ平。
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■本日は朝から雨が降っているので、
ゲレンデ行きは延期。
朝のテレビニュースを見ていると、
愛知県の岡崎市の広田川が決壊して大変な被害が出ているとのこと。
関東にもゲリラ豪雨で床下浸水、床上浸水が生じている地域があります。
本日も東海地方では200mm、
関東甲信越地方や東北地方では100mmの降雨が予想されていました。
雨が収まったので、10時頃にゲレンデに出て標識開始。
しかし、16時には再度雨が降って来ましたので、
しばらく様子を見てから、雨の中で徒歩下山をしました。
■この日は標高の低めのところで標識をしました。
■本日標識した592頭のうち雌は8頭で、比率は1.35%。
雌比率は15%、15%、23%、16%、24%、
24%、8%、6%、7%、17%、7%、・・・
などと推移してきましたので、
雌比率が大変低い日であると言えます。
■交尾痕のある雌個体はなし。
■ヘアペンシルの出た雄個体もなし。
■翅の変形は2例のみ(SRS11341♂、11385♂)。
割合は0.33%で、少ない方です。
このうち、SRS11341は、前翅端に近い部分に、
直径1×2mm程度の小さい穴(ただし破損ではない)が出来ている
という珍しい例でした。
■モンシロチョウ程度の小さい個体が多い傾向は続いています。
40例を記録しましたが、これは6.8%にあたります。
■「中古の個体」は0例。「古い個体」も0例。
合わせて0例で、割合は0%でした。
■「病気」と思われる個体は0例。
■本日の592例のうち、
前日の8月28日の標識のある個体の再捕獲は5例でした。
その日は533例に標識をしましたから、
アサギマダラの推定頭数は
533×592/6=52589頭(=約5万頭余)となります。
以下に、より意味のあると思われる推定をしておきましょう。
■標識日を日付順にA、B、C、・・・とすると、各日の分の再捕獲は
A0、B0、C4、D2、E3、F2、G3、H5、I1、
J4、K6、L0、M9、N2、O8、P0、Q2、R0、
S5、T16、U10、V5
となり、その合計は
0+0+4+2+3+2+3+5+1
+4+6+0+9+2+8+0+2+0
+5+16+10+5
=87例です。
筆者の標識した個体は累積で昨日までに5560例ですから、推定値は
7957×592/87=54144(頭)[=約5万頭余]
となります。すなわち、
前日までには約5万頭程度のアサギマダラが
「ゲレンデ周辺(見えないところも含めた仮想領域)」にいたと推定されます。
■592頭中、87例が既標識例でしたので、標識率は14.7%でした。
■当日筆者が放蝶した個体の自己再捕獲は4頭でした。
■筆者以外の人が標識した個体の再捕獲は11例でした。
■白い部分が多い個体(白い部分の斑紋模様が派手に見える個体)
の例としては、SRS11296。
■鱗粉のある場所の全体が普通より黒っぽい個体の例は、
SRS12230など37例を記録しました。
(対照となる非黒化個体の例はSRS11427)。
その中でSRS11420は特に香りが強いので印象的でした。
SRS11443は小型でかつ黒化個体の例でした。
SRS11470はハートマークが印象的な例でした。
■標識中に筆者やネットに寄って来た個体
(これをストーカーと筆者は呼びます)は、
以下の通り14頭が記録されました。
1●SRS11285♂を標識中に2頭のストーカー飛翔例あり。
2●SRS11287♂を標識中に1頭のストーカー飛翔例あり。
3●SRS11306♂はネット・ストーカー。
すなわち、ネットに止まったので、手で捕獲して標識。
4●SRS11315♂は手に止まった例。止まった写真あり。
手で捕獲して標識。
5●SRS11316♂は寄って来てストーカー飛翔したので、
捕獲して標識。
6●SRS11317♂は手に止まりました。写真あり。
7●SRS11330♂は寄って来てストーカー飛翔したので、
捕獲して標識。寄って来たときの写真あり。
8●SRS11340♂は寄って来てストーカー飛翔したので、
捕獲して標識。
9●SRS11341♂も同上。
10●SRS11400♂は寄って来てストーカー飛翔した例。
この例はホバリングが特に著明なので、印象的。
11●SRS11420♂は寄って来てネットに止まった例。
12●SRS11568♀は寄って来て手に止まった例。
この例は♀(雌)であることに注意してください。
この項目だけ見るとストーカー飛翔する個体には、
♀が少ないように見えますが、そもそも♀個体は本日捕獲した
592例の中で8例しかいませんでしたので、ストーカー個体が
特に雌が少ないというわけではありません。
13●SRS11630♂は、寄って来て時計の腕輪部分に
止まった例。
以上、この日はストーカーが多い日であることが分かります。
旅立ちを始めると、ストーカーが増えて来るのです。
■本日は、タオル回しに反応することが分かりました。
通常はグランデコではタオル回しには反応しないのですが、
旅立ちをするほど成熟すると、
一部の個体はタオル回しに反応をするようになります。
これは成熟度が高まっていることを示唆します。
ストーカー個体が増えることとタオルキャッチが出来ることとは
相関のある現象です。
■8月27日はアサギマダラが明確に旅立ちを始めた日
と認識されましたが、このようなゲリラ豪雨の間を縫って
巧みに渡りを実行しているように見えるのは、
アサギマダラが気候の動向を見極める
素晴らしい直観的な能力を持っていることを
示唆しているように思います。
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
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■08年8月26日(火曜日)は、08年のグランデコスキー場での
アサギマダラのマーキングの23日目でした。
SRS10751からSRS11283までの
533頭を標識することができました。
[080828] 福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山 グランデコスキー場。デコ平。
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■前日は、アサギマダラの移動日と考えられましたが、
本日は全国的に豪雨でした。
39箇所で、1時間の最多雨量を更新しました。
石川県、福井県を含む北陸や、愛知県を含む東海地方では、
一時間80mmもの大雨が降った場所があります。
愛知県豊橋市では68mm/時の激しい雨が降り、
東海道新幹線が2度止まったり、
道路では動けないで立ち往生する車もありました。
福島県でも、局所的な大雨が降りました。
グランデコのゲレンデも17時までは曇りでしたが、
17時からは雨が降り始めましたので、標識はそこで中断しました。
■8月26日には標高の低めのところで標識をしました。
■本日標識した533頭のうち雌は14頭で、比率は2.6%。
雌比率の極めて低い日でした。
これまでは雌比率は標識頭数の少ない日は信頼姓がないので除くと、
15%、15%、23%、16%、24%、
24%、8%、6%、7%、17%、7%、11%、12%、
などと推移して来ました。
■交尾痕のある雌個体はなし。
■ヘアペンシルの出た雄個体もなし。
■翅の変形は1例のみ(SRS11137♂)。
割合は0.2%で、少ない方です。
■モンシロチョウ程度の小さい個体が多い傾向は続いています。
SRS10771など、31例が記録されました。
5.8%にあたります。
■「中古の個体」は0例。「古い個体」も0例。
合わせて0例で、割合は0%と低い値です。
■「病気」と思われる個体は1例(SRS10805♂)でした。
■本日の533例のうち、
前日の8月27日の標識のある個体の再捕獲は8例でした。
その日は750例に標識をしましたから、
750×533/8=49969頭(=約5万頭)となります。
以下に、長期的な観点から意味を持つ推定をしておきましょう。
■標識日を日付順にA、B、C、・・・とすると、各日の分の再捕獲は
A0、B2、C4、D4、E4、F7、G2、H4、I0、
J3、K5、L0、M7、N1、O8、P0、Q1、R0、
S10、T10、U8
となり、その合計は
0+2+4+4+4+7+2+4+0
+3+5+0+7+1+8+0+1+0
+10+10+8
=80例です。
筆者の標識した個体は累積で昨日までに7424例ですから、推定値は
7424×533/80=49462(頭)[=約5万頭]
となります。すなわち、
前日までには約5万頭程度のアサギマダラが
「ゲレンデ周辺(見えないところも含めた仮想領域)」にいたと推定されます。
■今回の約5万頭という推定からは、8月20日頃からは、
個体数は4~6万頭程度で、目立った増減はないことを示唆しています。
■当日筆者が放蝶した個体の自己再捕獲は2頭でした。
■筆者以外の人が標識した個体の再捕獲は26例でした。
■白い部分が多い個体(白い部分の斑紋模様が派手に見える個体)
は7例を記録しました。
SRS10777♂、10961♂、10967♂、
11052♂、11108♂、11238♂、などです。
このうち、10967♂はふっくらした印象を与える例でした。
その対照として比較できる例は10968♂です。
■鱗粉のある場所の全体が普通より黒っぽい個体は、
18例を記録しました(3.4%)。
SRS10921♂、10978♂、11006♂、11073♂、
11073♂、11078♂、11079♂、11088♂(典型例)、
11117♂、11118♂、11127♂、11130♂、
11132♂、11207♂、11208♂、11227♂、
11252♂、11256♂などです。
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
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■08年8月27日(火曜日)は、08年のグランデコスキー場での
アサギマダラのマーキングの22日目でした。
SRS10001からSRS10750までの
715頭を標識することができました。
これは、08年の夏の最多標識数となりました。
[080827] 福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山 グランデコスキー場。デコ平。
■この日は標高の低めのところで標識をしました。
■本日標識した750頭のうち雌は90頭で、比率は12.0%。
雌比率は高い日、低い日のある中での中間的な日でした。
これまでは雌比率は標識頭数の少ない日は信頼姓がないので除くと、
15%、15%、23%、16%、24%、
24%、8%、6%、7%、17%、7%、11%
などと推移してきました。
■交尾痕のある雌個体はなし。
■ヘアペンシルの出た雄個体は一例ありました。
SRS10525で、尾端の左右両方に
ヘアペンシルが出て出ている初めての例です。
ただし、どちらもきちんと出ているのではなく、
中途半端な出方で、左右差があり、
右が少し出ており、
左はより少ない形でわずかに顔をのぞかせている状態です。
やはり、「ヘアペンシルが出ている」のは正常な状態ではなく、
「収納の不良状態」であるという筆者の仮説に合っているように思います。
■翅の変形は5例ありました(SRS10025♂、10086♂、
10097♂、10264♂、10333♂)。
割合は0.67%でした。
■モンシロチョウ程度の小さい個体が多い傾向は続いています。
筆者のメモには41例も記録されています。
割合としては5.5%に上ります。
■「中古の個体」は4例
(SRS10236♂、10289♂、10328♂、10506♂)。
「古い個体」は1例(SRS)10419♂)。
合わせて6例となり、その割合は1.2%です。
■「病気」と思われる個体は1例(SRS10086♂)でした。
■本日の750例のうち、
前日の8月26日の個体の再捕獲例を個体推定に用いてみましょう。
8月26日の標識のある個体の再捕獲は24例でした。
その日は725例に標識をしましたから、
725×750/24=22656頭(=約2万頭余)となります。
以下に、より意味のあると思われる推定をしておきましょう。
■標識日を日付順にA、B、C、・・・とすると、各日の分の再捕獲は
A0、B6、C7、D9、E11、F5、G6、
H4、I2、J1、K3、L1、M13、N0、
O13、P0、Q2、R0、S10、T24、
となり、その合計は
0+6+7+9+11+5+6
+4+2+1+3+1+13+0
+13+0+2+0+10+24
=44+24+49=117例です。
筆者の標識した個体は累積で昨日までに6674例ですから、推定値は
6674×750/117=42782(頭)[=約4万頭]
となります。すなわち、
前日には約4万頭程度のアサギマダラが
「ゲレンデ周辺(見えないところも含めた仮想領域)」にいたと推定されます。
8月18日の推定の計算結果は約4万頭で、
8月20日の推定の計算結果は約6万頭、
8月25日の推計の計算結果は約5万頭、
8月26日の推定の計算結果は約4万頭でした。
これらから、
個体数は4~6万頭程度で、推移していることを示唆しています。
■当日筆者が放蝶した個体の自己再捕獲は8頭でした。
■筆者以外の人が標識した個体の再捕獲は28例でした。
■白い部分が多い個体(白い部分の斑紋模様が派手に見える個体)
は増えたままで著変なし。
例としては、SRS10071、10100、10224、
10262、10319、10425、10516など。いずれも♂。
このうち、10425は、黒化を兼ねています
(その比較対照例は10516)。
■鱗粉のある場所の全体が普通より黒っぽい個体の例は、
22例記録しました。♂がほとんどです(比較対照例は10131)。
♀の例(黒雌)は、SRS10101、
10279(比較対照例は10285)、10373、10480。
■翅が赤っぽい例としてはSRS10072♂(比較対照は10073)、
10125♀、10126♀、10156♂(美しい例)
の4例を記録しました。
■翅の茶色が印象的な例もありました。SRS10297が典型例です。
■標識中に筆者やネットに寄って来た個体は、以下の通り。
SRS10220を標識中に1例。
SRS10231自体(画像あり)。
その他、標識中に2例が周囲をストーカーのようにホバリングしながら
旋回していました。
このような「好奇心に満ちた」個体の存在は、
グランデコに滞在するアサギマダラたちの
成熟の兆しを示す目印です
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●
SRS研究所の公式HP<参考HP>
●
グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)●
3Dアサギマダラの世界(SRS)●
SRSアサギマダラ生態図鑑●
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■08年8月26日(火曜日)は、08年のグランデコスキー場での
アサギマダラのマーキングの21日目でした。
SRS9286からSRS10000までの
715頭を標識することができました。
下はSRS10000の画像です。

[080826] 福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山 グランデコスキー場。デコ平。
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■この日は標高の低めのところで標識をしました。
■本日標識した715頭のうち雌は81頭で、比率は11.3%。
雌比率は多い少ないの中間的な日でした。
これまでは雌比率は標識頭数の少ない日は信頼姓がないので除くと、
15%、15%、23%、16%、24%、
24%、8%、6%、7%、17%、7%、11%などと推移してきました。
■交尾痕のある雌個体はなし。
■ヘアペンシルの出た雄個体は2例で、
SRS9527とSRS9567。
■翅の変形は10例もありました。1.4%です
(SRS9329♀、9416♂、9418♀、9422♂、
9637♂、9644♂、9764♂、9921♂、9937♂)。
割合は0.25%で、少ない方です。
■モンシロチョウ程度の小さい個体が多い傾向は続いています。
具体的に記録したのは27頭に上りました(3.7%)。
■「中古の個体」は5例(SRS9401♂、9663♂、
・・・、9751♂)。
「古い個体」は0例(SRS9307♂)。
合わせて7例となり、その割合は1.0%です。
■「病気」と思われる個体は1例(SRS9294♂)でした。
■本日の715例のうち、
前日の8月25日の個体の再捕獲例は、13例でした。
その日は399例に標識をしましたから、
399×715/13=219458頭(=約2万頭余)となります。
以下に、より意味のあると思われる推定をしておきましょう。
■標識日を日付順にA、B、C、・・・とすると、各日の分の再捕獲は
A5、B2、C5、D9、E5、F7、G4、H5、I0、J3、
K13、L1、M10、N0、O14、P0、Q1、R0、S13
となり、その合計は
5+2+5+9+5+7+4+5+0+3
+13+1+10+0+14+0+1+0+13
=45+52=97例です。
筆者の標識した個体は累積で昨日までに5959例ですから、推定値は
5959×715/97=43924(頭)[=約4万頭]
となります。すなわち、
前日までには約5万頭程度のアサギマダラが
「ゲレンデ周辺(見えないところも含めた仮想領域)」にいたと推定されます。
8月18日の推定の計算結果は約4万頭で、
8月20日の推定の計算結果は約6万頭で、
8月20日の推定の計算結果は約5万頭でしたので、
今回の約4万頭という推定からは、8月20日頃からは、
個体数は4~6万頭程度で、特に増えてはいないことを示唆しています。
■当日筆者が放蝶した個体の自己再捕獲は53頭でした。
■筆者以外の人が標識した個体の再捕獲は16例でした。
■白い部分が多い個体(白い部分の斑紋模様が派手に見える個体)
は増えたままで著変なし。
例としては、SRS9691、9779など。
(比較対照の例はSRS9761)。
■鱗粉のある場所の全体が普通より黒っぽい個体の例は、
SRS9566、9584、9590、9593、
9661、9812、9884などで、いずれも♂です。
■翅全体に赤い色調の強い個体も注目されました(SRS9337)。
■標識中に筆者やネットに寄って来た個体は、
以下の通り7例あります。
SRS9529を標識中に、ネットに寄って来た個体があります
(その様子を撮影した写真画像あり)。
SRS9557を標識中に、周囲を飛び回って、
最後はNetに止まった個体がありました。
SRS9612は、手に止まりましたので、手で捕獲して標識しました。
SRS9656を標識中にストーカーのように飛び回った例があります。
SRS9691も同上です。
SRS9707を標識中にもストーカーのように飛び回った個体がありました。
SRS9709を標識中にもストーカーのように飛び回った個体がありました。
このような「好奇心に満ちた」個体が増えているのは、
アサギマダラが成熟して来た兆しのひとつと考えています。
■上記の推定頭数からは、特に大きな変化は見られませんので、
まだ南下移動は始まっていないと考えられます。
■8月24日に、アサギマダラの標識を予定したのに
雨のためにそれが事実上不可能となった千葉県木更津高校の
生徒さんが、再度、引率の先生らと共にグランデコを訪れました。
今度は、前回より条件が改善しているので、
初めてマーキングを体験することができました。
それぞれがおよそ20頭程度は標識できたようです。
■前日、NHK総合テレビのMさんから電話取材を受けました。
その内容は、本日8月26日の午後6時10分からのニュースで、
季節便りとして、紹介されたとのメールをいただきました。
「NHK総合6時10分から放送の、『はまなかあいづToday』内で、
季節のお話としてご紹介致しました」とのことでした。
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
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