■福島県の裏磐梯にある耶麻郡北塩原村のグランデコスキー場のデコ平で、
08年8月10日に、アサギマダラの6日目のマーキング調査をしました。
■本日は、台風9号のために湿潤で温かい空気が本州に流れこみ、
大量の雨が降り、兵庫・岡山では水の災害のために、
流されたり、車中で溺死したり、土砂崩れなどで13人が死亡しました。
行方不明者も18人に及んでいます。
福島県でも、海岸側の浜通りを中心に、
床下浸水や土砂崩れが起きた地域があります。
また、当地を含む「中通り」でも大雨警報が出ており、
その南部には特に洪水警報が出ていました。
■グランデコホテルでも、午前中は強い雨が降り止まず、
アサギマダラが活動する状況ではありませんでした。
気温も18度で風も強い状況でした。
予定されていたホテルスタッフによるアサギマダラ観察会は中止になりました。
■14:00頃に、やや小降りになったので、
ゴンドラでデコ平に向かい、東西のゲレンデを観察しましたが、
アサギマダラは一頭も目撃することができませんでした。
温度は18.3度。昆虫はアキアカネをときおりみかける程度。
鳥もときどきウグイスなどが鳴く程度。蝉も鳴きません。
空は全天が曇り。温度が低いことによる「沈黙の午後」となりました。
結局、標識数は0頭でした。
■テレビ朝日によるアサギマダラ関連の取材があると聞いていましたが、
それも中止となりました。
TBSテレビの番組に関して、指回し体操関連の取材の打診がありましたが、
東北にいるので、お断りしました。
■ゴンドラからは、オトコエシが開花を始めたのが見えました。
今日はとくにトモエソウがよく見えました。
例年、サワグルミの花穂が見えるものですが、今年はなぜか見えません。
エゾアジサイはまだ咲いています。
ハンゴンソウがわずかに開花を初めています。
これらの花期は例年より遅いペースで動いています。
ヤマブドウがやや黄色みを増しているほかには、
ナナカマドもカエデもホウノキもまだ紅葉の兆しはみせていません。
ツルアジサイもイワガラミも幹にからんで装飾花を見せていますが、
本来の花の開花は終わっているようです。
■ゲレンデに固まりとして残してあった雪は、
雨のために一気に溶けて、残るはわずかです。
■ゲレンデに、開花しているヒレハリソウを一株だけ見つけました。
ここでヒレハリソウを見たのは数年来で初めてのことです。
これは今後広がるインパクトを秘めています。
ホウチャクソウの実は緑から、やや黒みがかかってきています。
ナルコユリの実は緑の色が濃くなっています。
ゴマナの開花した群れを昨日に続いてみかけました。
コウゾリナが咲き始めましたが、まだわずかな株です。
ヤマニガナは一気にタケノコのように丈高く成長し、
花穂の形成が進んでいます。
ミズキの実は紫色になりかかっています。
オオカメノキの実は橙になっています。
2週間ほどすると、美しい朱色に発色することでしょう。
ニワトコのマッチ棒の頭のような形の実の集まりは、
今が一番美しい赤い色彩を見せています。
■アサギマダラの幼虫の食草である蔓植物のイケマの花は、
開花はしていますが、まだ全開ではなく、3~4部咲きです。
アサギマダラが集まるヨツバヒヨドリは2~3部咲き(1400mレベルでは)。
アサギマダラがときどき集まるコシアブラの樹は
ゲレンデに多くみかけますが、これでアサギマダラが吸蜜している場面は
2009年にはまだ一度しか見ていません。
■早めに下山したので、夕方は檜原湖方面をドライブして、
小雨の中でレンゲ沼のヒルムシロやヒツジグサの様子を見たり、
湖面に霧がかかる様子を眺めたりしました。
裏磐梯ビジッターセンターにも一年ぶりに10分ほど訪れる時間がありました。
■今朝の段階での北塩原村近域の予報:
降水確率は70%(~12時)、70%(12~18時)、60%(18~24時)。
天気は終日雨降り(弱雨)。
結果は午前中はやや強い雨。15時以後は弱雨でした。
明日の予報は、が降水確率40%。
3時までは弱雨。8-12時は曇り。15時に晴れとなっている。
■8月9日の夜21時に発生した台風9号は、
昨日の予想通り、本日、南日本から東北南部に大きな被害を出しました。
明日昼頃に、関東地方に再接近して、
11日中に、伊豆諸島の方に向いて移動していくようです。
明日の福島県近域では100mmほどの雨量が予想されています。
------------------------------------------------------------
■筆者(栗田)が関わったアサギマダラの移動個体のリストおよび、
それらを日付順に追った時系列的な表は
筆者のHPの「2009年の移動調査記録」
の頁に表示してあります:
●
2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)------------------------------------------------------------
■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
-------------------------------------------------------------
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●
SRS研究所の公式HP[SRS速読法・SRS能力開発法指導]<参考HP>
●
2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)●
グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)●
3Dアサギマダラの世界(SRS)●
SRSアサギマダラ生態図鑑●
3Dアサギマダラの世界(SRS)●
SRSアサギマダラ生態図鑑■ランキングのために次の2つをそれぞれ一押ししていただければ幸いです:
(一日一押し)→

スポンサーサイト
■福島県の裏磐梯にある耶麻郡北塩原村のホテルグランデコにて、
2009年8月8日に、アサギマダラに関する講演を行いました。
8月に3回予定されているうちの初回で、
タイトルは「アサギマダラとグランデコ」。
■この講演会は2006年8月から、例年行われており、
今年で4年目となります。ここで、アサギマダラの
およそのことを知識として理解していただい上で、
翌朝、ゲレンデでのアサギマダラ観察会で、
実際のアサギマダラに接していただくことにしています。
------------------------------------------------------------
■筆者(栗田)が関わったアサギマダラの移動個体のリストおよび、
それらを日付順に追った時系列的な表は
筆者のHPの「2009年の移動調査記録」
の頁に表示してあります:
●
2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)------------------------------------------------------------
■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
-------------------------------------------------------------
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●
SRS研究所の公式HP[SRS速読法・SRS能力開発法指導]<参考HP>
●
2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)●
グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)●
3Dアサギマダラの世界(SRS)●
SRSアサギマダラ生態図鑑●
3Dアサギマダラの世界(SRS)●
SRSアサギマダラ生態図鑑■ランキングのために次の2つをそれぞれ一押ししていただければ幸いです:
(一日一押し)→

■福島県の裏磐梯にある耶麻郡北塩原村のグランデコスキー場のデコ平で、
08年8月9日に、アサギマダラの5日目のマーキング調査をしました。
デコ平は、朝の9時頃までは曇天でしたが、以後は終日雨天でした。
■この日は、筆者の指導するアサギマダラ観察会でした。
小雨の中で行われたこの会の様子は別項で記載します。
■観察会が終わった後は、ひどいどしゃぶりになり、
一頭のアサギマダラも見られなくなりましたので、
15:30過ぎに下山をしました。
■筆者の標識したアサギマダラはSRS1791から1827までの37頭。
■8月6日に212頭標識した中の個体を2頭再捕獲しました:
SRS1600と1625。
8月5日、8月8日の標識個体の再捕獲は0頭でした。
通常の推定はできませんが、無理やり8月6日の例で推定すると、
212×37/2=3922頭となります。
これはあくまで参考値にすぎませんが、
1万頭にまでいっていないという現場の感触を
数量的に確認する上では有用と思われます。
■雌は2頭で割合は0.54%。いずれも未交尾でした。
■翅に変形のある個体は0例でした。
■ゲレンデでは初めてゴマナの開花を見ました。
これから次第に成長してゴマナの花が増えてきますが、
現在はまだつぼみが確認できない段階の株が大半で、
つぼみの形成が遅れていると思われます。
■ミンミンゼミがヨツバヒヨドリの茎に止まって雨宿りしている場面を見ました。
雨の中でもクロヒカゲは数多く活動しており、ヒメキマダラヒカゲ、
ヒメシジミなどを若干見ることができました。
■豪雨のため、早めに下山したので、夕方は五色沼方面にドライブに行きました。
■8月9日の夜21時に、太平洋上の低気圧が台風9号に変わりました。
台風8号は石垣島を取って西北の中国大陸方面に移動しています。
明日は西日本に豪雨が予想されています。
------------------------------------------------------------
■筆者(栗田)が関わったアサギマダラの移動個体のリストおよび、
それらを日付順に追った時系列的な表は
筆者のHPの「2009年の移動調査記録」
の頁に表示してあります:
●
2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)------------------------------------------------------------
■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
-------------------------------------------------------------
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●
SRS研究所の公式HP[SRS速読法・SRS能力開発法指導]<参考HP>
●
2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)●
グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)●
3Dアサギマダラの世界(SRS)●
SRSアサギマダラ生態図鑑●
3Dアサギマダラの世界(SRS)●
SRSアサギマダラ生態図鑑■ランキングのために次の2つをそれぞれ一押ししていただければ幸いです:
(一日一押し)→

■福島県の裏磐梯にある耶麻郡北塩原村のグランデコスキー場のデコ平で、
08年8月8日に、アサギマダラの4日目のマーキング調査をしました。
雨天でしたが、一応各所の様子を見て回りました。
■午後は雨も止んで曇り状態になり、温度も22度程度で、無風でしたが、
蝉も鳴かず、鳥もほとんどなかず、アサギマダラもほとんど見かけず、
「沈黙の数時間」を体験し、不思議な印象を受けました。
小雨の降っていた朝の方が多くの生き物を見ました。
毎年、このような時間帯を1、2貝経験します。そのような
「生き物の空白の時間帯」が起きる本当の理由は不明です。
少なくとも、温度が原因とは思えず、気圧も特別な状況は考えられず、
謎としか言いようがありません。
■朝の局所天気予報では、8月8日の6時から12時までの降水確率は
40%で、12~18時は30%、18~24時は40%でした。
天気予報としては午前中は弱雨、午後は弱雨から曇りに
移行することとなっていました。
なお、夜の時点で、明日8月9日の 降水確率は40%となっています。
■標識したアサギマダラはSRS1717から1790までの74頭。
■8月5日、8月6日に標識した個体の自己再捕獲はありませんでした。
8月7日は0頭でした。したがって、どう考えても頭数推定はできません。
■雌は8頭で割合は8.1%。
このうち、1例のみ交尾済で、交尾痕と硬結がありました。
ただし、この個体は破損もひどく(四枚とも破損あり)、
新しい世代ではなく、現在ここに集まっている多くのアサギマダラの
親にあたる世代(おそらく北上してきた個体)と考えられました。
■翅に変形のある個体は1例ありました(SRS1782。割合は1.35%)。
■午前中は、グランデコホテルにおけるアサギマダラ観察会の初日でしたが、
参加者の標識数合計は雨のために大変少なかったと思われます。
■8月8日現状を考察すると、標高1400m前後では、
ヨツバヒヨドリの開花がまだ2割程度であり、
例年に比べると開花が遅く不十分なので、
その分アサギマダラの誘引力も少ない段階にあると思われます。
前年にはこの頃すでに1万頭の推定頭数がゲレンデにいたと
考えられましたが、今年は、(標識頭数が少ないためもあり)
自己再捕獲もできない状況なので十分な推定はできませんが、
現在の唯一の推定頭は8月6日の記事に記載した
2000余頭という値のみです。
開花が不十分な理由は、雨が続いたことによる日照不足に
起因すると推定されます(いまだに梅雨開けになっていません!)。
以上から、今年のゲレンデ周辺にいるアサギマダラの頭数は
前年の同時期に5分の1以下と思われますから、
現状のデータを延長すれば、
「今年度の総標識数は3000頭程度を目指すのが妥当」と思われます。
■ゲレンデではブタクサの開花を見始めました。
ゲレンデの一角に残してある雪の固まりが、次第に消滅しつつあります。
■なお、ホテルの庭ではこの日、燕の飛来を見ることができました。
毎年、この時期になると燕を多く見るようになります。
標高の低いところから、上がってくるのであろうと思います。
------------------------------------------------------------
■筆者(栗田)が関わったアサギマダラの移動個体のリストおよび、
それらを日付順に追った時系列的な表は
筆者のHPの「2009年の移動調査記録」
の頁に表示してあります:
●
2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)------------------------------------------------------------
■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
-------------------------------------------------------------
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●
SRS研究所の公式HP[SRS速読法・SRS能力開発法指導]<参考HP>
●
2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)●
グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)●
3Dアサギマダラの世界(SRS)●
SRSアサギマダラ生態図鑑●
3Dアサギマダラの世界(SRS)●
SRSアサギマダラ生態図鑑■ランキングのために次の2つをそれぞれ一押ししていただければ幸いです:
(一日一押し)→

| ホーム |