08年8月11日に、アサギマダラの7日目のマーキング調査をしました。
■本日は、台風9号は八丈島付近を通過して、太平洋上に抜けていきました。
その影響で14人が死亡、13が行方不明になっています(岡山県・兵庫県)。
■デコ平では、午前中は朝から弱雨が降り続け、
昼過ぎにときどき雨が止む時間帯が生じ、
一瞬、日ざしが見られたときもありました。
気温は朝は20度でしたが、日ざしが出たあたりでは24度程度になりました。
■アサギマダラはSRS1825-1915の91頭に標識をしました。
一時に多くのアサギマダラを見ることはなく、
小雨の中を滑空していたり、
濡れたヨツバヒヨドリで吸蜜するのをたまたま見つけたりして、
一頭ずつ標識した結果です。
■雌は13頭で、割合は14.3%でした。
古い個体はいませんでした。
翅の形に異常が見られる個体は2例(2.2%)。
1例は雌で、ごくわずかな翅のひきつりで、
1例は雄で、右後翅の変形がありました。
■8月6日に標識したアサギマダラを2例自己再捕獲しました。
SRS1582とSRS1515です。
8月7日から、新たな拡散などが起きていないとすると、
212×91/2=9645という推定値が出ますが、
実際は拡散が起きているでしょうから、この推定値は、
事実の上限を与えている数と思われます。
[本来の推定は8月10日の個体数を用いないといけませんので、
この推定には前提に関する無理があります。
ただし、8月10日の標識個体数は0頭でしたので、
本来の個体数は推定できません]。
印象としては、例年の5分の1の個体数と思われます。
■過去数年の通例では8月10日を過ぎたあたりでは、
アサギマダラの個体数はピークを迎えましたが、
今年はそのような気配が全くありません。
もっとあとで増えてくるのか、それとも
このまま少ない数で行くのか、そこに関心があります。
■アサギマダラが集まるヨツバヒヨドリは、
1、2日の間に、2-3割程度の開花から、
一気に6-7割の開花に進んでしまいました。
8月中旬になって、やや花色に赤みが増して来ました。
■アサギマダラが好きなコシアブラの樹の一本に、
数頭のアサギマダラが吸蜜に来ていました。
SRS1885(雌)とSRS1886(雄)は
そこで捕獲し標識しました。
コシアブラに集まるときは、小雨が降っているときで、
ヨツバヒヨドリの蜜が雨で薄まり、誘引力がないときです。
■ゲレンデに固まりとして残してあった雪は、
前日よりさらに減りました。
■今朝の段階での北塩原村近域の予報は以下の通りでした:
降水確率は30%(~12時)、30%(12~18時)、30%(18~24時)。
天気は曇り。15時には晴れ、となっていました。
実際は、小雨が6割くらいの時間を占めていました。
日ざしが見えたのは20-30分ほどでした。
明日の予報は降水確率10%。終日曇り、となっています。
■2009年の8月は、アサギマダラに活動にとって、
条件のよい日が一日もないまま中旬に近づいています。
この出来事の続きはどうなるのでしょうか。
■蝉はエゾゼミ(推定)の鳴き声が意外によく聞こえていました。
ミンミンゼミやヒグラシの声はありません。
■アキアカネは数多くみかけますが、雨の降っているときには、
木の葉、草の葉に止まっています。
■蝶で見たものはウラギンヒョウモン(数頭)、
オオウラギンスジヒョウモン(1頭)、クロヒカゲ(10頭程度)、
キマダラヒカゲ(数頭)、ヒメシジミ(1頭)。
■ゲレンデのやや下ではアザミがぐんぐんと伸びて、背丈を超えています。
ゴマナもところによっては背丈を超えています。
ヤマニガナも数日で背丈を超えるほど伸びました。
伸びの早いこれらの群落にはまだ蕾の形成も不十分です。
■ゴンドラから見ると、8月中旬を迎えて、
さまざまな樹木の緑の葉に黄色みが増して来ました。
タラ、笹、シダの仲間、フキ、アザミ、などなど。
オオカメノキは葉に赤みがさしてきました。
よく見ると葉の色の変化に微妙な季節の移ろいを感じます。
ただし、カエデ類やウダイカンバなどの紅葉・黄葉はまだです。
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■筆者(栗田)が関わったアサギマダラの移動個体のリストおよび、
それらを日付順に追った時系列的な表は
筆者のHPの「2009年の移動調査記録」
の頁に表示してあります:
●2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
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■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●SRS研究所の公式HP[SRS速読法・SRS能力開発法指導]
<参考HP>
●2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
●グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
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