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アサギマダラと自然のよろこび+仏像の写真・画像 【SRS研究所】

アサギマダラは渡りをする蝶、旅をする蝶。その生態と移動調査(マーキング)と国内外の四季の自然を画像で紹介。地球はよろこびの惑星。有限の惑星の無限の美しさと素晴らしさに共鳴・共感しませんか。植物図鑑、昆虫図鑑、動物図鑑も兼用。仏像写真の特殊処理画像も紹介。

福島県のグランデコでのアサギマダラのマーキング情報。23日目の標識頭数は445頭。推定頭数は約33000頭。雌は6.5%(全部未交尾)と減少。古い個体0例。黒い個体13例(2.9%)、小型個体10例(2.2%)。晴れ。気温23度と温度上昇。今期初めてのアサギマダラの朝の賑わいあり。活動時間帯はやや広がる。秋の色彩のシンフォニーが始まる。[09年08月27日。SRS7349-7793。デコ総計6321頭。福島県。デコ平]

■福島県の裏磐梯にある耶麻郡北塩原村のグランデコスキー場のデコ平で、
 08年8月27日に、アサギマダラの23日目のマーキング調査をしました。
■今日も日本列島は高気圧に覆われ、福島県は終日晴れでした。
 福島市は4日ぶりの真夏日だったとのこと。
 グランデコでは、前日よりさらに2度前後気温は上がり、
 朝は16.8度で、16時は22.5度と、
 ここ数日では一番温暖で快適な日和となり,
 日当たりがよい時間帯は24度を記録しました。
 雲もむら雲のように小さい固まりのため、温度変化が少なく、
 アサギマダラにとっては活動しやすい条件と思われました。
■朝は珍しく9時前からアサギマダラの活動が見られ、
 今期初めての「朝の賑わい」が観察されました
 (例年は毎日のようにあったのですが)。
 ただし、昼間は、日射が強すぎるためアサギマダラの数が減り、
 群れていても、近づく前に一気に飛び立って
 全部が敏捷に逃げてしまう状況でした。
■アキアカネ(=赤蜻蛉の一種)は若干多めになりました。
 蝶はヒカゲチョウ、クロヒカゲを数匹見た以外は、
 ウラギンヒョウモン、クジャクチョウ、ミヤマカラスアゲハを
 1~2頭見る程度でした。
 蝉はときどき鳴き声を聞く程度。
■8月の下旬になり、ウグイスの鳴き声が消えました。
 そのために、昼間に鳥の声を聞くことはほとんどなくなり、
 笹に巣を作る鳥が近くで姿を見せないで鳴くのを聞く程度です。
 (姿が見えないので種類は不明)。
■アサギマダラはSRS7349-7793の445頭に標識をしました。
 グランデコで筆者が標識した個体は総計6321頭となりました。
■雌は29頭で、割合は約6.5%でした(すべて未交尾)。
 2日前に著明に増加しましたが、その後、次第に低下している状況です。
 2日前に、何か特殊な雌の群れの合流があったことを示唆しています。
■古い個体は0。
■翅の形に異常が見られる個体は2例。
 SRS7546雄、7775雄。0.47%です。
■病気を持った個体は1例。SRS7779雄。0.24%です。
■小型の個体は10例見ました。
 SRS7388雄、7389雄、7459雄、7460雄、
 7464雄、7506雄、7507雄、7563雄、
 7634雄、7781雄。割合は2.2%です。
 じわじわと増えています。
■ヘアペンシルを出した雄は0例。
■翅色の黒さの強い個体(クロ)は13例いました(詳細は略)。
 今日も、雌で黒いと感ずる例を1例体験しました。
 7412雌です。雌雄併せて、2.9%です。
■「ストーカー」は2例。
 1例目はSRS7593を標識中。雄がネットに飛来して、
 しばらくの間止まって、ネットを舐めていました。撮影のみしました。
 2例目はSRS7793雌(雌であることに注目)。
 標識が終わって、何も入っていないネットに飛来して、
 周囲を舞いました。
■アサギマダラ同士が追いかける場面は今日はありませんでした。
 今日もクロヒカゲに追いかけられている個体がありました。
■翅の前後翅の白い領域の白さが特に明確で、
 コントラストの強い個体(=「シロ」)は1例。
■デコ平全域の頭数推定に関しては、
 前日の8月26日の再捕獲は4例で、前日は405例を標識しましたので、
 405×445/4=約45056
 が推定値になります。405例中の4例は約1.0%です。
■他の日に標識した個体の自己再捕獲の全体は以下の通りです。
 8月25日:6例(405例標識)。1.5%。
 8月24日:6例(300例標識)。2.0%。
 8月23日:3例(165例標識)。1.8%。
 8月22日:5例(163例標識)。3.0%。
 8月21日:3例(64例標識)。4.7%。
 8月20日:8例(605例標識)。1.3%。
 8月19日:7例(511例標識)。1.4%。
 8月18日:4例(466例標識)。0.9%。
 8月17日:7例(558例標識)。1.3%。
 8月16日:9例(446例標識)。0.4%。
 8月15日:2例(461例標識)。0.4%。
 8月14日:6例(439例標識)。1.4%。
 8月13日:5例(237例標識)。2.1%。
 8月12日:2例(185例標識)。1.1%。
 8月11日:0例(91例標識)。0%。
 8月10日:0例(無標識)。
 8月9日:0例(34例標識)。0%。
 8月8日:0例(74例標識)。0%。
 8月7日:0例(無標識)。
 8月6日:1例(176例標識)。0.6%。
 8月5日:0例(32例標識)。0%。
 以上で、右側の数字は、その日に標識した個体の数に対して
 本日再捕獲した個体の数の百分率を示します。
 8月12日以後に関して見ると、特に数値の一定方向の増減が
 見られないので、8月中旬の個体がゲレンデからどんどん消えている
 ということはなさそうです。
 8月上旬の数字でばらつきがあるのは、個体数が少ないためと
 考えますが、今後の繰り返しの検討を要します。 
■本日の再捕獲の総合計は80例でした。この80例という値と、
 昨日の8月26日までの標識総数5876例の値を用いると、
 推定頭数の概算は以下のように計算できます;
 5876×445/80=約32685。
 この推定値は前々日の約43000という値より少なめです。
 今後の経過を見る必要があります。
■本日はアザミで吸蜜しているアサギマダラを2頭見て、
 一頭は撮影できました。
■今朝の段階での北塩原村近域の8月27日の予報は以下の通りでした:
 降水確率は0%(~12時)、10%(12~18時)、10%(18~24時)。
 天気は全体としては「曇りと晴れ」と予想されており、
 3時間ごとの予想では12時、15時は晴れで、他は曇りでした。
 結果は、朝と夕方は快晴で、昼間はほぼ晴れ、時々曇りでした。
 温度予想では、9時は18度で、最高は午後15時の24度でした。
 ゲレンデでの結果は、9時は16.8度、最高はその通りでした。
 明日8月28日の予報は降水確率10%で、
 全体の予想は「曇り」です、3時間ごとの予想もすべて曇りです。
温度予想では、最高が25度で今日よりも1度上がる予想です。
 日本列島では日本海側に大きな雲のかたまりが接近しており、
 明日は東北もその雲に覆われそうです。
 雲がある理由は大陸から前線を伴った低気圧域が近づいているからです。
 温度が上がることはよいことですが、雨をもたらさないことを祈ります。
■アサギマダラの集まるヨツバヒヨドリは、ゲレンデの下部では、
 焦げ茶色になりましたが、ゴンドラに乗って上から眺めると、
 ススキの穂が燎原の火のように広がっていますが、
 そのススキの穂とよく似た色になっています。
 ゲレンデのヨツバヒヨドリも、赤飯色(小豆色)になっており、
 その中でも特に発色の美しいものを見つけて撮影しました。
■ゲレンデでは、ホオノキの実で成長不良のものの中に、
 真紅に染まっているものがあります。全体としては、
 薄黄緑色から、次第に、黄色、淡いオレンジ色に変わりつつあります。
 ゲレンデでは部分的に色づき始めたカエデが複数見られるようになりました。
 オオカメノキの葉はほぼどの株もえび茶色の部分が生じて来ました。
 ゴンドラから大局を眺めると、緑一色だった裏磐梯の山景色の中で、
 広葉樹の山肌が次第に色むらが生じています。
 これは樹種ごとに微妙に色変化が起き初めているからです。
 一般に、「傷ついた枝や葉から色づき始める」という法則があり、
 どの樹木でも、そのような葉がちらほらと色づき初めているのです。
 色変化の少ないカラマツですら、ゲレンデの下の方は次第に
 緑の質が変わって黄ばみが生じています。
 いよいよ裏磐梯一帯に、
 「秋の色彩のシンフォニー」の見られる季節がスタートしたのです。
■以上、グランデコ・アサギマダラ観察会・オフィシャルアドバイザー 栗田昌裕
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■筆者(栗田)が関わったアサギマダラの移動個体のリストおよび、
 それらを日付順に追った時系列的な表は
 筆者のHPの「2009年の移動調査記録」
 の頁に表示してあります:
   ●2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
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■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
SRS研究所の公式HP[SRS速読法・SRS能力開発法指導]
<参考HP>
2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)
3Dアサギマダラの世界(SRS)
SRSアサギマダラ生態図鑑
3Dアサギマダラの世界(SRS)
SRSアサギマダラ生態図鑑
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