フジバカマで吸蜜しているアサギマダラの中に、
「ラララ516 白山 9/5」と標識してある個体を見つけました。
これは、石川県白山市の荒谷林道あたりで
マーキングされたものではないかと思われます。
「ラララ」という標識は、「テレビ金沢」のスタッフが用いている標識です。
■移動距離は約111km。移動方向は東北東。移動日数は9日間です。
■秋のアサギマダラは、一般に「南下する」のが普通であると考えられています。
それが9月の上旬から中旬にかけて東北東に移動したのはなぜでしょうか。
07年の夏のアサギマダラの挙動は、
東北では例年より10日ほど遅れていたように思われますので、
このアサギマダラはまだ夏の期間の延長として行動していたのかもしれません。
■以上の記載に対して、中村明男さんからコメントをいただき、
以下の趣旨の報告をアサギMLにすることができました。
■[asagi:011606] 【再捕獲情報】 石川県白山市 9/5
→ 長野県大町市 9/14 (ラララ516 → SRT1052) ♂
白山の荒谷林道から長野県大町市のっぺ山荘に
移動した個体の再捕獲を報告します。
●移動情報 石川県白山市 9/5→長野県大町市 9/14
(移動方向東北東。移動日数9日間。移動距離約111km)
標識:ラララ516 白山 9/5
性別:♂
標識日時:2007 年9月5日11:00~14:00
標識地:石川県白山市荒谷(荒谷林道)[北緯36°15′東経136°41′]
標識者:尾張勝也
その他:鮮度 新鮮
↓
再捕獲日時:2007年9月14日15:33
再捕獲地:長野県大町市平 中綱湖畔「のっぺ山荘」
再捕獲者:栗田昌裕
その他: 鮮度中の上。フジバカマにて吸蜜。翅縁白毛5割残存。
腹部横径:正常範囲よりやや大。
「SRT1052 NP 9/14」を追記放蝶。
追記。
1)上記はテレビ金沢の尾張さん、中村さんと、喜界島の福島さんが、
ご一緒にマーキングをされた日の一個体とのことです。
標識された41♂、2♀の中の一頭です。
2)9月上旬に、通常の「南下」ではない方向に移動したことになります。
3)「のっぺ山荘」では例年通り、9月12~14日に
第一波が訪れました。ほぼ2000頭(再捕獲による推定値)が、
のっぺ山荘のフジバカマ園で、群舞する様子が観察できました。
翅の鮮度から、第一波は、長野県またはその近県からの
移動個体が主であると考えました。

[070914]長野県大町市平 中綱湖畔。のっぺ山荘。
■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
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●SRS研究所の公式HP
<参考HP>
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
●2007年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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