フジバカマで吸蜜しているアサギマダラの中に、
「ラララ115 白山 9/5」と標識してある個体を見つけました。
これは、石川県白山市の荒谷林道でマーキングされたものと思われます。
「ラララ」という標識は、「テレビ金沢」のスタッフが用いている標識です。
写真は「ラララ 115」の左側の画像を示します。
この個体には、「SRT2083」という標識をつけて再度放蝶されました。
■移動距離は約111km。移動方向は東北東。移動日数は9日間です。
■「ラララ 白山」という標識のあるアサギマダラは、下記のブログ:
07.09/17●「石川県白山市から111km東北東に移動した
アサギマダラを長野県大町市で再捕獲した
[070914。ラララ516→SRT1052。長野。白馬山麓。のっぺ]」
http://srs21.blog59.fc2.com/blog-entry-1141.html
で示したように、9月14日に、同じのっぺ山荘で再捕獲していますので、
本例が2例目となりました(他に、「ラララ61 白山 9/4」も、
のっぺ山荘にて9/17に再捕獲されています)。
これらの個体は、おそらくほぼ同時期に渡って来たものと考えられます。
■秋のアサギマダラは、一般には「南下移動する」のが普通です。
しかし、本例では9月上旬から下旬にかけて東北東に移動しており、
しかし、それが一頭だけではなく、
複数頭確認されていることが興味深く思われます。
「夏の期間の延長として行動していた」あるいは
「台風などの影響でコースが狂った」などが理由として考えられます。
■なお、テレビ金沢では、この再捕獲を受けて、
9月25日、現地(のっぺ山荘)に、番組スタッフ
(番組の案内役の尾張勝也さんや中村明男さん)が
取材に訪れるとのことで、筆者にもメールによる問い合わせをいただいています。
■その後、放蝶者の中村さんにコメントをいただきましたので、
アサギMLに以下の趣旨の報告をしました。
■[asagi:011607] 【移動情報】 石川県白山市 9/5
→ 長野県大町市 9/21 (ラララ115 → SRT2083) ♂
白山の荒谷林道から大町市のっぺ山荘に
移動した個体の再捕獲(2例目)を報告します。
●移動情報 石川県白山市 9/5→長野県大町市 9/21
(移動方向東北東。移動日数16日間。移動距離約111km)
標識:ラララ115 白山 9/5
性別:♂
標識日時:2007 年9月5日
標識地:石川県白山市荒谷(荒谷林道)
標識者:中村明男
その他:9月4、5日に3名で150頭標識したうちの一頭。
↓
再捕獲日時:2007年9月21日14:06
再捕獲地:長野県大町市平 中綱湖畔「のっぺ山荘」
再捕獲者:栗田昌裕
その他: 鮮度中の下。左後翅破損。右後翅小破損。
フジバカマにて吸蜜。翅縁白毛3割残存。
腹部横径:正常範囲よりやや大。
「SRT2083 NP 9/21」を追記放蝶。
追記。
1)上記はテレビ金沢の尾張さん、中村さんと、喜界島の
福島さんが、ご一緒にマーキングをされた日の一個体とのことです。
2)9月上旬に、通常の「南下」ではない方向に移動したことになります。
3)「のっぺ山荘」では例年通り、9月12~14日に
第一波が訪れました(ほぼ2000頭[再捕獲による推定値])。
鮮度などから長野県またはその近県からの移動個体が主と推測しました。
その翌週、9月19日の夕方に第二波が訪れました。この集団は、
過去10年で初めて見るほど多くの個体だったとのことです
(のっぺ山荘の古川さんによる)。9月20~21日のデータを元に
推定するとこの集団の個体数は4千頭を超えていたと思われます。
第二波には栃木県、群馬県、福島県、宮城県の個体が含まれて
いましたので、北日本からの移動集団が主と推測されました。
4)本例を含めて、白山からのっぺ山荘への移動個体は3頭になりました。
一例は西川尚実さんが9月17日に再捕獲された「ラララ61 9/4」。

[070921]長野県大町市平 中綱湖畔。のっぺ山荘。
■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●SRS研究所の公式HP
<参考HP>
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
●2007年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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