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アサギマダラと自然のよろこび+仏像の写真・画像 【SRS研究所】

アサギマダラは渡りをする蝶、旅をする蝶。その生態と移動調査(マーキング)と国内外の四季の自然を画像で紹介。地球はよろこびの惑星。有限の惑星の無限の美しさと素晴らしさに共鳴・共感しませんか。植物図鑑、昆虫図鑑、動物図鑑も兼用。仏像写真の特殊処理画像も紹介。

08年5月23日は、姫島に飛来するアサギマダラは一挙に2000頭を超えた。SRS477からSRS1010まで534頭の標識をした カラスの攻撃と季節の遅れ。[080523。大分県姫島]

■大分県東国東郡の姫島は、アサギマダラが移動する際の
 中継地として知られています。
 筆者はこの島に、2005年5月以来、
 定期的に訪れてアサギマダラの調査をしています。
■以下、08年5月23日の出来事に関して、アサギMLに報告した
 内容の概要を示します:
■[asagi:012680] 【標識情報】08年5月23日、
 姫島でSRS477-1010の標識。
 目撃アサギマダラは一挙に2000頭超え。
 カラスの攻撃と開花の遅れについて。
 ●08年5月23日、半年ぶりに大分県姫島を訪れ、
  アサギマダラの北上調査をしました。姫島の天候は晴れ。
  この日は、関東エリアで32.2度を記録し、北海道も暑い日で、
  翌日は雨と予想された日でした。
 ●2日前の5月21日、NHK総合テレビで生放送で紹介された際には
  「みつけ海岸」のスナビキソウ群落には300頭程度の
  アサギマダラが集まっていました(放送では30頭と紹介されました)。
  その翌日からアサギマダラの増加が見られ、
  5月23日の午前中には2500頭程度は見られた、とのことです。 
 ●筆者が訪れた5月23日の午後1時には、通常は、
  アサギマダラが日ざしを避けて樹間に避難し始める時間帯でしたが、
  それでも1000頭前後のアサギマダラを見ることができました。
  この日は、16時の時点でも飛ぶ数が多く見られ、18時過ぎまで
  かなりの数のアサギマダラをスナビキソウ群落で見ることができました。
 ●結局、SRS477からSRS1010までの534頭に
  標識をすることができました。すべて♂。鮮度は新鮮から中程度がほとんど。
 ●このときの出来事は08年の飛来の最初のピーク(第一ピーク)
  をなすと考えられます。
 ●この日は、中城さん(会長)のご自宅の乾燥したわすれな草にも、
  30頭ほどのアサギマダラが集まりました。
 ●スナビキソウ群落の半径100-200m程度の周辺でも、
  樹林脇の不特定の場所でアサギマダラが飛んでいる場面を
  多く見ることができました。
  これは飛来した個体数が多いときに見られる現象です。
 ●筆者は未確認ですが、フジバカマ園にも30頭程度は
  見ることができたということです(翌日は筆者も確認)。 
 ●姫島での植物の開花はやや遅れている印象で、
  開花時期の目印となるトベラ、ハリエンジュ、テリハノイバラを見ると、
  トベラは開花のピークかややそれをすぎたあたりで、
  ハリエンジュも、テリハノイバラも同様でした
  (季節の進行が速い時期は、5月下旬にすでに開花の末期を迎えています)。
  モンキアゲハが軽快に飛び、ウグイスがひっきりなしに鳴き、
  セミの鳴き声も聞こえました。
 ●この日は、姫島から北東に渡っていく蝶と、姫島に渡って来る蝶と、
  両方が見られたと考えています。
 ●木野村さんは、海岸に向かって、30~50mおきに一頭ずつ
  アサギマダラが飛来する様子を見られた、とのことです。
 ●姫島では、5月中旬から、カラスがアサギマダラを
  食べる現象が観察され、問題になっています。
  これは2008年の5月に初めて観察された出来事で、
  カラスは次第に学習してその頻度を高めてきたようです。
  犠牲になった個体は優に100~200のレベルを越えています。
 ●前年の2007年には、
  イソヒヨドリがアサギマダラを食べる場面が目撃され、
  やはり100個体を越える数が犠牲になりました
 (犠牲個体の数多くの翅を筆者が保存しています)。
 ●2007年の初春には、ミソサザイなどの小型の鳥が、
  アサギマダラの幼虫を食べることが見出されました。
 ●以上から、「鳥はアサギマダラを敬遠する」という考えは、
  もはや姫島では事実とかけはなれた考えになりつつあります。
 ●奄美諸島(奄美大島+喜界島)では、08年のアサギマダラは
  個体数が少ないように思われましたが、姫島で見る限りは、
  個体数は例年と同様か、むしろ多いのではないかと感じました。 
 ●以上、「姫島のアサギマダラを守る会」 栗田昌裕・記。
  2008年5月28日   m-kurita@suite.plala.or.jp
 ●以上から、「鳥はアサギマダラを敬遠する」という考えは、
 もはや姫島では事実とかけはなれた考えになりつつあります。 
■以上、「姫島のアサギマダラを守る会」顧問 栗田昌裕・記。 
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■[080523] 大分県東国東郡姫島村。
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
SRS研究所の公式HP
<参考HP>
2008年のアサギマダラの動向は直下の頁をごらんください:
2008年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
姫島の自然旅行体験(SRS研究所)
姫島のアサギマダラを守る会の紹介
3Dアサギマダラの世界(SRS)
SRSアサギマダラ生態図鑑
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