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アサギマダラと自然のよろこび+仏像の写真・画像 【SRS研究所】

アサギマダラは渡りをする蝶、旅をする蝶。その生態と移動調査(マーキング)と国内外の四季の自然を画像で紹介。地球はよろこびの惑星。有限の惑星の無限の美しさと素晴らしさに共鳴・共感しませんか。植物図鑑、昆虫図鑑、動物図鑑も兼用。仏像写真の特殊処理画像も紹介。

福島県グランデコでのアサギマダラのマーキング12日目(8月17日)は4日連続の天候不良下で30頭標識。雌は5頭(交尾済は0頭)で17%、翅の変形は約0%。ゲレンデの個体は自己再捕獲なしで推計できず。デコ累計4289頭。黒化個体の画像提示。[080817。SRS7586-7615。福島県。デコ平]

■08年8月17日(日曜日)は、08年のグランデコスキー場での
 アサギマダラのマーキングの12日目でした。
 この日はSRS7586からSRS7615までの
 30頭にマーキングをしました。
 写真上はその途中で標識したSRS7586(左)と
 SRS7590(右)の画像です。
 左は、後翅の色調が黒っぽくなっています
 (これを筆者は黒化個体と呼びます)。
 ここ数日、このような個体が増えています。
 右はほぼ正常の例で、比較対照のために示しました。
SRS7586黒化例
[080817] 福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山 グランデコスキー場。デコ平。
■17日の降雨確率は午前50%、午後20%という予測でした。
 予想最高気温は18度という低い値でした。
 ホテルでは朝から雨が降っていました。
 ゲレンデに上っても同じで雨降りで、その上霧に包まれていました。
 ゴンドラ駅での気温は18度C。
 雨が降って、温度が18度ではアサギマダラが動ける理由がありません。
一般に、グランデコのゲレンデでは19度Cより低い温度になると、
 アサギマダラは活動できなくなります。
■本日は、筆者の指導するアサギマダラ観察会の日でした。
 10時までの間、レインコートを着て、ゲレンデを歩き回りましたが、
 移動中の4頭を標識できたのみ。
 花に吸蜜に来ている個体はありませんでした。
 観察会の開始を30分から1時間遅らせる案も出ましたが、
 結局、11時頃まで雨は止むことはなく、
 観察会は中止となりました。
■11時頃から雨がほぼ止んだので、ゲレンデを歩き回りましたが、
 10分に1頭を見るか見ないか、という状態でした。
 8月10日に観察会に来た方が再訪されて、
 2年前に安達太良山でその方が
 撮影して再確認したアサギマダラの写真を持って来てくださいました。
 これは20068月12日に筆者がグランデコで標識して、
 8月19日にその方が安達太良山(約20km東方)で撮影したのでした。
 グランデコから夏の間に安達太良山に移動した貴重な例です。
■この日も相対的に標高の低いところのみで標識をしました。
■雌は5頭で、割合は約17%。
 15%、15%、23%、16%、24%、24%、8%、6%、7%
 と推移した雌比率の変動ですが、今回は30例という少ない数の中の
 比率ですから、明確な判断ができません。
 天候が改善してから、意味を再考したいと思います。
■交尾痕のある雌個体は0頭でした。
■ヘアペンシルの出た雄個体は0頭。
■翅の変形も0例。
■「中古の個体」も「古い個体」も0例でした。
■「病気」と思われる個体は0例でした。
■今回の30例のうちには何と、一例も再捕獲例はありませんでした。
 したがって、本日は、いずれの方法を用いても
 頭数の推定はできないことになりました。
■筆者以外の人が標識した個体も本日は0例でした。
■白い部分が多い個体(白い部分の斑紋模様が派手に見える個体)
 は前日と著変なし。
■鱗粉のある場所の全体が普通より黒っぽい個体は
 SRS7586[上図左]、SRS7599などが該当例でした。
■昼前後には再度小雨が降り、
 霧が上からは降りるし、下からは上がって来る、という状況で、
 霧にはさまれてサンドイッチ状態になっていました。
 そんな中で、湿度も高く、カメラも一時結露して、
 画像がきちんと撮影できなくなり、やむなく、
 予備のカメラを使う場面もありました。
■本日極めて不思議に感じたのは、
 午後1時半以後は雨は降らず、ときおり青空も見え、
 暖かさも感じられ、風もほぼ無風で、
 雲はあるものの十分な明るさを感じさせるゲレンデの状態で、
 人間にとっても比較的心地よい条件になったのですが、
 それでも吸蜜に訪れるアサギマダラを
 ほとんど見ることができなかったことです。
■このような事態は、過去のグランデコでは
 思い当たる経験があまりありません。
 結果から見ると、16時頃には、
 私の手持ちの温度計では20~21度、
 ゴンドラ駅の温度計では18度という低い温度でしたので、
 それがアサギマダラを見なかった一番の理由だったとも考えられますが、
 過去には、その程度の温度の条件でも、日差しさえあれば、
 かなりの数のアサギマダラが見られることを何度も経験しています。
 したがって、温度の条件を考慮しても、
 「本日ほどアサギマダラに巡り会えなかった」ことは
 「本当に本当に不思議」に感じられました。
■そもそも2008年の夏には、「まだ明るいうちから
 突然ぱったりアサギマダラの姿を見なくなる」ことが
 繰り返されています。
 過去数年とはアサギマダラの挙動が異なって来ているように思われます。
■では、アサギマダラはいったいどこでどうしていたのでしょうか。
 一部はカラマツの高い枝に止まっているのを見たり、
 一部は林の中でふらふらと飛んでいるのを見たりしました。
 おそらくほとんどのアサギマダラは、
 夜間に止まったいた場所(=比較的高い樹の枝)に
 そのままじっと身動きせずに止まっていたのでしょう。
■8月17日は、結果として、今夏の最低の標識頭数となりました。
■明日、8月18日は曇天の予想です。降雨確率は低いので、
 温度が上がれば、明日は本日より期待できるかもしれません。
■昨夜の雨のためか、アサギマダラの食草のイケマの花は
 ほとんどがこぼれ落ちてしまいました。
■ゲレンデの植物はあいかわらずにょきにょきと育っています。
 アサギマダラが好むヨツバヒヨドリはこれでもか、これでもか、
 という具合に日々伸びています。
 標高1200mレベルではほぼ開花は終わりに近づいています。
 標高1400mレベルでは6割咲きくらい。
 標高1500mレベルでは4割咲きくらい、という状況です。 
■ヨモギもどんどん伸び、ゲレンデの芦(一箇所だけ)もどんどん育ち、
 アブラガヤも急速に高くなり、ウドも草原から突出して伸び、
 ゴマナも筆者の背丈を超えてなおつぼみ状態のものがほとんどで、
 8月半ばでこれほど植物が伸びたことは過去数年ありません。
■ツルアジサイやイワガラミのような蔓植物はほとんど花が咲かないか、
 咲いても、例年より半月も早く花が終わっているかと思うと、
 他方で、例年より成長、または成熟が遅れている植物もあります。
 ウドは8月中旬に開花を見るようになりましたが明らかに遅れています。
 リョウブは現在開花中ですが、例年より遅れているように見えます。
 オオバカメノキの実が赤くなる時期は遅れているように思われます。
 ミヤママタタビの白またはピンクの葉も例年ほど見かけません。
 なんとなくちぐはぐな印象を持ち続けています。
 そんな中で、アサギマダラのピークが
 例年より早く過ぎてしまうことを恐れています。
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
SRS研究所の公式HP
<参考HP>
グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)
3Dアサギマダラの世界(SRS)
SRSアサギマダラ生態図鑑
2008年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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