アサギマダラのマーキングの29日目でした。
SRS14501からSRS15500までの
1000頭を標識することができました。
一日の標識数が1000頭を超えたのは初めての出来事です。
また、本日でグランデコの累計が12000頭を超えましたが、
これは2005年の12000頭が過去最高の値でしたので、
それを上回る標識数となったことを意味します。
[080903] 福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山 グランデコスキー場。デコ平。
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■本日は朝からよい天気でしたので、
1日に1000頭の標識が可能であると直観しました。
そこで少し早めに山に登ることとしました。
ただし、夜には雨が予想されていたので、
天気が崩れる前に、急いで標識する必要を感じていました。
■車から降りて斜面を上がっていく途中、
南下移動する個体(旅立つ個体)に何頭も出会いました。
移動個体の飛ぶ高さは人の腰くらいの高さの場合もあり、
3mほどの高さの場合もあります。
そのうちの何頭かは、筆者の方に寄って来て、
回りを飛び回る「ストーカー個体」となりました。
■南下移動する個体は、同時に「チェイス」もします。
これは仲間同士おいかけっこをすることです。
未成熟なうちはチェイスはしませんが、
旅立ちが近づくようになると、
アサギマダラは、成熟して旅立ちが近づく頃になると、
チェイスをしたり、ストーカー行為をしたり、
地面の上を徘徊したりします。
■本日標識した1000頭のうち雌は66頭で、
比率は6.6%。少なめの値です。
■病気の個体は3例で、
SRS14940♂、15274♂、15473♂。
■「中古」個体は2例で、SRS14962♂、16101♂。
「古」個体はありませんでした。
「中古+古」を合わせて2例で、割合は0.2%でした。
■ヘアペンシルを出した♂個体はありませんでした。
■翅に変形のある個体は、SRS14509、14528、
14581(脈自体の変形)、14658、14749、
14765、14862、15287の8例(いずれも♂)。
1000例中の0.8%で、1%以内に納まっています。
■SRS14509は4枚の翅のいずれにも変形が認められ、
特に後翅の片側は変形が著明でした。しかし、
それでも旅立つ仲間に入っていましたので、印象的でした。
■本日の1000例のうち、
前日の9月2日の標識のある個体の再捕獲は11例でした。
前日は900例に標識をしましたから、
900×1000/11=81818頭(=約8万頭)となります。
かなりの頭数がいた可能性を示唆します。
以下には、長期的に意味のあると思われる推定をしましょう。
■標識日を日付順にA、B、C、・・・とすると、各日の分の再捕獲は
A2、B1、C8、D8、E5、F4、G6、H4、I2、
J1、K3、L0、M3、N0、O6、P0、Q2、R0、
S5、T15、U9、V10、W15、X10、Y6、Z11、A’11
となり、その合計は
2+1+8+8+5+4+6+4+2
+1+3+0+3+0+6+0+2+0
+5+15+9+10+15+10+6+11+11
=40+15+92
=147例です。
筆者の標識した個体は累積で昨日までに11174例ですから、推定値は
11174×1000/147=76013(頭)[=約7万頭]
となります。すなわち、
前日には約7万頭程度のアサギマダラが
「ゲレンデ周辺(見えないところも含めた仮想領域)」にいたと推定されます。
■1000例中、147例が標識済みでしたので、
既標識率は14.7%(約15%)でした。
■当日筆者が放蝶した個体の自己再捕獲は5頭でした。
■筆者以外の人が標識した個体の再捕獲は14頭でした。
■白い部分が多い個体(白い部分の斑紋模様が派手に見える個体)
は減ったように見えています。例としては、
SRS14755♂、14846♂、15045♂など。
■前項とは別の意味で全体に白っぽい例を見ました。
SRS15087がそれです(画像あり)。
■鱗粉のある場所の全体が普通より黒っぽい個体(黒化個体)の例は、
SRS14628などで、最初の500例の中で、9例記録されました
■小さい個体は、最初の500頭に関して記録したところでは、
21頭で、4.2%であり、8月の終わり頃に比べると、
少し減って来た印象があります。
(小さい個体とは、油性ペン「マッキー」の
キャップの長さよりも前翅長が短い個体のこと)。
■山形蔵王で放蝶された個体を再捕獲しました(13時55分)。
「山ZAO 8/23 YZ1」で、
「SRS15108 デコ 9/3」と標識して放蝶しました。
■安達太良山で放蝶された個体を再捕獲しました(15時9分)。
「あだたら HK38 8/2」で、
「SRS15255 デコ 9/3」として放蝶しました。
■本日は、寄って来る個体(ストーカーと呼んでいます)を
多く体験しました。
●SRS14502♂は、寄って来て周囲を飛び回り、
ネットに止まりました(そこで、手づかみで捕獲・標識)。
●SRS14504と14505は同様に寄って来て
周囲を飛び回ったので、容易に捕獲・標識されました。
●SRS14508、14509も同様です。
●SRS14625を標識中に、
周囲を飛び回るストーカーが出現し、その様子を撮影しました。
●SRS14649は寄って来てカメラに止まりました
(これは撮影できないので、その段階で、
手づかみで捕獲・標識しました)。
●SRS14659は寄って来てネットに止まりましたが、
捕獲して見ると、自己再捕獲個体でした。
●SRS14736は寄って来て手に止まりました(画像あり)。
●SRS14927は寄って来て手に止まりました(画像あり)。
このとき別な1個体が寄って来てネットに止まりました。
するとさらに別な2個体が寄って来て、周囲を飛び回りました。
この2個体は接近して飛ぶので、
両者が空中衝突する場面がありました。
驚いたことに、羽ばたきながら衝突するときには、
かなり大きな音で「バサッ」という音がしました。
おそらくアサギマダラ同士が羽ばたきながら衝突する音を
聞いたことがある人はほとんどおられないのではないでしょうか。
●SRS14925も寄って来て手に止まりました(画像あり)。
■冒頭に述べたように、昼過ぎまではよい天気で、
多数のアサギマダラがあちらでもこちらでも舞い上がる場面を
楽しく眺めることが出来ました。
しかし、昼下がりになると、次第に曇り空になり、
夕方前に一気に空模様が崩れてにわか雨が降り始めました。
近くのリフト駅に避難して雨宿りをしましたが、
大変な豪雨と凄まじい雷鳴のとどろきと雷光の炸裂を体験しました。
周囲は驚くほど暗くなり、まるで皆既日食に出会ったかのようで、
つい先ほどまで数多くのアサギマダラがゲレンデのいたるところで
舞っていたのが嘘のようでした。
■大変不思議なことに、
標識数はぴったり1000頭まで行うことができました。
おそらく天候が崩れなければ、1200頭くらいは標識できた
と思います。
結果として、この日が、2008年の最多標識の日になりました。
■どしゃうぶりだった雨がやや納まって、
小降りになったところで下山しました。
その頃には周囲も少し明るくなり、
アサギマダラがぱらぱらと飛び出していましたが、
植物はすべて塗れていて条件がよくありませんので、
それ以上の標識はしませんでした。
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●SRS研究所の公式HP
<参考HP>
●グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
●2008年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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