アサギマダラのマーキングの31日目で、これが最終日でした。
SRS16246からSRS17050までの
805頭を標識することができました。
結果として、2008年の夏は、グランデコでの標識数は
13724頭となりました。
2005年の12000頭が過去最高のマーキング数でしたので、
これを1700頭以上、上回ることができました。
[080905] 福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山 グランデコスキー場。デコ平。
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■この日は好天に恵まれ、
早朝からゲレンデに上ることとしました。
7時頃には、南方に移動する個体を見ることができました。
ただし、その数は特に多くはありませんでした。
■時間帯や日射条件にもよりますが、
多いときには一部のゲレンデで、
数多くの個体が乱舞する状況が出現しました。
ただし、個体数が多い場所は限定されていました。
■本日標識した805頭のうち雌は53頭で、雌比率は6.6%。
雌比率の比較的少ない日となりました。
交尾例はありませんでした。
08年の夏は最後まで交尾例が増えなかった年となりました。
■小さい個体、および黒化個体の統計は取りませんでした。
■病気の個体は3例ありました
(SRS16319♂、16963♂、16997♂)。
■「中古」個体は3例ありました
(SRS16264♂、16737♂、16756♂)。
「古」個体はありませんでした。
「中古+古」を合わせた3例の割合は0.4%でした。
■ヘアペンシルを出した♂個体はありませんでした。
■翅に変形のある個体は6例ありました。
(SRS16452♂、16634♂、16709♂、
16715♂、16741♂、16784♂)。
805例中の0.7%でした。
■本日の805例のうち、
前日の9月4日の標識のある個体の再捕獲は10例でした。
前日には745例に標識をしましたから、
745×805/10=59973頭(=約6万頭)となります。
まだまだ多くの個体がグランデコにいることになります。
以下には、長期的に意味のあると思われる推定をしましょう。
■標識日を日付順にA、B、C、・・・とすると、各日の分の再捕獲は
A1、B4、C4、D2、E2、F2、G5、H11、I0、
J3、K3、L2、M4、N0、O8、P0、Q1、R0、
S9、T13、U6、V8、W9、X7、Y5、Z12、A’13、
A1-14、B1-10
となり、その合計は
1+4+4+2+2+2+5+11+0
+3+3+2+4+0+8+0+1+0
+9+13+6+8+9+7+5+12+13
+14+10
=158例です。
筆者の標識した個体は累積で昨日までに16245例ですから、推定値は
16245×805/158=82767(頭)[=約8万頭]
となります。すなわち、
前日までには約8万頭程度のアサギマダラが
「ゲレンデ周辺(見えないところも含めた仮想領域)」にいたと推定されます。
■上記のいずれを採用するにせよ、6万頭以上のアサギマダラが
いたと推定され、これは現場での実感に合った数値です。
■805頭の中で、158頭が既に標識されていましたので、
既標識率は19.6%(約20%)でした。
グランデコでは2割を標識することを目標としていたので、
その目標がほぼ達成できたことになります。
■当日筆者が放蝶した個体の自己再捕獲は9頭でした。
■筆者以外の人が標識した個体の再捕獲は9例でした。
■8月の上旬、中旬に標識された個体の再捕獲の割合が少ないことから、
それらのかなりの部分がすでに移動したことが推測されます。
それを補う個体が北方から移動流入して全体の個体数を
支えていると考えられます。
■白い部分が多い個体(白い部分の斑紋模様が派手に見える個体)
は減りました。例としてはSRS16470♂。
■この日も、標識中に、筆者やネットに寄って来た個体がありました。
このような個体はつきまとって飛び回ったり、
止まったりするので、「ストーカー」と呼んでいます。
ストーカーの例は、SRS16246♂、
16274♂(これは小型の個体の例です)、
16551♂(これはネットに止まりましたので手づかみで捕獲)、
16598♂(これは周囲を飛び回り、手で捕獲されました)、
16601♂(これはメモを書いているときに、
手帳に止まりましたので、手で捕獲されました。
手帳に止まるのは珍しいと言えます。画像あり)、
16645♂(これはネットに止まりました)。
■本日は天候が比較的よかったこともあり、
コシアブラでの吸蜜個体は目立ちませんでした。
またアザミでの吸蜜も目立ちませんでした。
■安達太良山からの移動個体を再捕獲しました。
SRS16919(9月5日15時01分標識。♂)がそれで、
「あだたら HK63 8/14」。
■蔵王からの移動個体を再捕獲しました。
SRS16828(9月5日13時45分標識。♂)がそれで、
「ZAO AYA233 8/12」。
これはグランデコでの2008年夏の
蔵王からの2例目の再捕獲例となりました。
■東京に戻るために16時00には標識を終えて、
ゆったりと景観を観察しながら、下山をしました。
ゲレンデ周囲には、まだまだ数多くのアサギマダラが
飛び回っていましたので、(時間の都合で805例で
終わりとしました)実際には、1000例を超える標識が
可能な状態でした。
■2008年の夏は、8月中旬以後、特別に雨天の多い
異常な気象条件にあったことが特筆すべき出来事でした。
これは全国的にも異常な状態でしたが、特に福島県では
終始、天気予報に連日傘マークがつかない日はないくらいの
状態でしたので、アサギマダラの標識をする上では
かなりの困難が伴いました。
■アサギマダラの南方移動は例年より全体に遅れている
と考えられますが、雨天が続いたことと、移動が遅れて
いることとは深い関係があると思われました。
■グランデコでの「アサギマダラ観察会」の標識数は
雨天続きだったために過去の年より少なくなりました。
■ただし、筆者個人としては過去最高頭数である13700例を
超えるアサギマダラに標識ができました。
■ひと夏の貴重なグランデコでの自然体験を振り返り、
多くの協力と支持をくださった方々のおかげでそのような
環境に身をおけたことを深く感謝しながら東京に戻りました。
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●SRS研究所の公式HP
<参考HP>
●グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
●2008年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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