「アサギマダラ神秘生態探れ」というタイトルのもとで、
下記に引用した記事が掲載されました。
これは11月30日に屋久島の久保田さんが
「YK-7669 11/30」とマーキングをして、
その翌日の12月1日に筆者が
「SRYK113 12/1」と上書きをした個体です。
それが翌年の4月25日になって再捕獲されました。
これにより、屋外で142日生きたことが
確認されたことになります。
この記録は歴代第二位の長寿個体となる可能性があります。
■以下はその記事を引用します。
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■「南日本新聞」。2006年5月7日発行、
<タイトル>
●「アサギマダラ シンポ生態探れ
147日屋久島生息
屋久・松田さん捕獲
成虫のまま越冬か」
<本文>
● 屋久町尾之間の松田正さん(五十五)が捕獲したアサギマダラに
マーキング(標識付け)があり、百四十七日間屋久島で生息して
いたことが分かった。
● 松田さんは四月二十五日、自宅庭で捕獲。羽に捕獲日や場所が
書かれており、同町麦生の久保田義則さん(六十六)が昨年十一
月、マーキングしていた。
● アサギマダラは春、台湾から南西諸島を経由して福島県付近まで
北上、秋には逆のコースを南下する。
● 調査の空白地帯だった屋久島で、久保田さんは二○○三年から調査
を始め、これまで約八千五百匹のチョウにマーキングを行った。
自分がマーキングしたチョウが同じ島内で捕獲され、しかも「長い間
生きていたのにびっくりした」という。
● 鹿児島昆虫同好会会長の福田晴夫さん(七二)は「これまで不確か
だったが、冬を成虫で過ごし春まで長生きするものがいることが証明
された」と話した。
<写真>
マーキングされたアサギマダラ。

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■<栗田のコメント>
1)上記の記事を教えてくださったのは、屋久島の
久保田義則さんです。久保田さんは2003年から
屋久島で熱心にアサギマダラのマーキング調査を
続けておられます。上記の個体の経緯に関しては、
久保田さんが執筆された
「屋久島におけるアサギマダラのマーキング調査(5)」
鹿児島昆虫同好会誌 SATSUMA 57(136):9~28.2007
に詳しく記載してあります。
2)上記の個体は、2005年11月30日に久保田さんが
麦生で捕獲して「YK-7660 11/30」と標識をしました。
その翌日、12月1日にその近くで筆者がその個体に遭遇して、
「SRYK 113 12/」と上書きをしました(SRはSuper Reading、
YKはYakushimaから取っています)。
久保田さんは、そのあとで、同日に再度この個体を目撃されました。
その後、翌年の4月25日になって、松田正さんが御自宅の
庭でこの蝶を再度捕獲されたのです。
これによって、屋外で147日生きていたことが分かった
のです。
3)2003年12月8日に原で久保田さんがマーキングされた
2頭のアサギマダラを、翌年4月22日に、原のスイゼンジナ
の花で同時に再捕獲されました。これによって、屋外で135日
経過したアサギマダラを二例体験したことになります。
4)一方
http://srs21.blog59.fc2.com/blog-entry-1942.html
に引用したように、アサギマダラを調べる会の大島さんによれば、
筆者が報告した姫島の小学生の例「日吉芳郎さん→岸本静さん」に
ついて、
[asagi:013765] Re: 再捕獲情報
From: "hiyoshi" さま。
asagiMLの皆様、こん○○は。大島@まつむしです。
前年まで、アサギマダラを調べる会の事務局をしておりました。
其のときの長寿記録集計を改定しましたのでお知らせします。
今回、移動日数 :123日は歴代の長寿第 4位の記録です。
おめでとう御座います。
第1位 :2003,08,16~2004,01,15 :
152日 大代孝浩さま 再捕者:福島誠さま
第2位 :2007,08,06~2007,12,10 :
126日 山崎三郎さま 再捕者:西田悦造さま
第3位 :2007,11,15~2008,03,19 :
125日 榊原君江さま 再捕者:福島誠さま
第4位 :2008,06,13~2008,10,14 :
123日 日吉芳郎さま 再捕者:岸本静 さま
第5位 :2002,07,24~2002,11,22 :
121日 松井正人さま 再捕者:多田弘一さま
第6位 :2001,07,24~2001,11,18 :
117日 日吉芳郎さま 再捕者:西田貴明さま
日吉さま2度目の記録となりました。
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大島 新一郎
と述べています。これを考慮すると、冒頭の、「久保田→栗田→松田」
と確認された屋久島の例は、歴代第二位になりそうです。
5)2008年に筆者の関わったアサギマダラの移動
個体のリストおよび、それらを日付順に追った
時系列的な表は筆者のHPの
「2008年の移動調査記録」の頁に表示してあります:
2008年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
そこから、2007年、2006年の移動記録も見ることが
できます。 以上 栗田昌裕
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
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■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●SRS研究所の公式HP[SRS速読法・SRS能力開発法指導]
<参考HP>
●2008年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
●2007年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
●グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)
●奄美大島の自然旅行体験(SRS研究所)
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
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