08年8月6日に、アサギマダラの2日目のマーキングをしました。
■天候は時に雲が全天を覆うことはありましたが、
基本的には晴れでした。
■前日の8月5日には、
前年の8月5日と同程度のアサギマダラがいると
思われたのですが、それは20分程度のチェックでそう思っただけで、
本日改めて時間をかけて調べて見ると、
昨日よりずっと少ない数であることが分かりました。
■SRS1505から、SRS1716までの212頭に標識しました。
このうち古い個体は3頭(♀1、♂2)見られました。1.4%です。
雌は31頭で、14.6%(前日は12.5%)の割合でした。
雌はいずれも未交尾で、これは前日と同様です。
翅の形態に異常を認めた個体は2頭(1♂、1♀)いました(0.9%)。
翅色に黒みの強い個体は1頭(♂)いました(0.5%)。
■前日標識したアサギマダラのうち、本日再捕獲できたのは2頭のみでした。
すなわち、前日放蝶した32頭は、
2/212頭の割合で再捕獲されたことになりますから、
簡易な拡散モデルによる前日の推定頭数は、
323×212/2=2261頭(=ほぼ2千頭)
となります。すなわち、昨日は2000頭程度が
いたことになりますが、08年の8月7日の推定値は
約3万頭でしたから、今年は10分の1以下の頭数と
なります。今後の推移に大いに興味が持たれます。
■11時に移動個体を再捕獲しました。
「HK11 つちゆ 8/1」と記載してある個体です。
これはおそらく福島県福島市の土湯温泉町のどこかで
小柴治紀さんが放蝶した個体と思われます。
「SRS1566 デコ 8/6」と上書きして再放蝶しました。
今年最初の再捕獲個体です。
■気象条件としては、東北地方はいまだ梅雨開けしていません。
沖縄では台風8号が接近しています。
■ゲレンデで見た蝶は、ゴンドラ上駅のレベルでは、
ミドリヒョウモン1、ウラギンヒョウモン数頭、クジャクチョウ1、
オオウラギンスジヒョウモン1、
ヒメキマダラヒカゲ1、ヒカゲチョウ数頭、クロヒカゲ1、
モンキチョウ約10、ヒメシジミ2、
ヒメキマダラセセリ2、などを見ました。
トンボ科では、多くのアキアカネのほかにノシメトンボを見ました。
■ゲレンデでは、アサギマダラが集まるヨツバヒヨドリは
まだ4分咲き程度です。例年よりやや開花時期が遅れています。
いずれどんどん繁茂して開花するクロヅルは、
笹原の中で一部に白い花が開花しています。
ヤマハハコは、まだつぼみのところが多く、
開花はこれから、という印象です。
■ユキザサの実は黄緑色からやや黄色みを帯びた色に移行中です。
ナルコユリは濃い緑の実が成長しています。
エンレイソウも実が出来ています。
■アザミの仲間やゴマナは夏の終わりに後半なエリアで
開花を見るのですが、まだ開花しているところはありません。
コウゾリナやブタクサやハンゴンソウも開花が見られませんが、
これは例年より明らかに遅い成長と言えます。
日照時間が少なく、降雨が多かった今夏特有の出来事かもしれません。
ただし、イワガラミは開花が終わっています。
ヤマニガナも穂すらきちんと形成されていない段階です。
ススキの穂はゲレンデではまだ見られませんが、
標高の低いところでは穂が少し見え始めています。
ススキは秋が近づくにつれ、
どんどん成長していくはずです。
■夕方に時間があったので、小野沢湖畔を散歩しました。
家屋の花壇や畑では、ルドベキア、フロックス、タチアオアイ、
アリストロメリアなどが美しく咲いていました(園芸花)。
まだアジサイが咲いているところもありました。
外来植物であるオオハンゴンソウ、オオアワダチソウの群落を、
園芸花として育てている場所もありました。
雑草であるツリフネソウやキツリフネソウも
一部では開花が見られました。
■蝉はゲレンデではおそらくエゾゼミの仲間が主体です。
ミンミンゼミがときどき割り込んで鳴きます。
ゲレンデの下ではひぐらしも鳴いていました。
蝉は日ざしの有無に敏感に反応しますので、
その鳴き声の状態は天候変化の目安としても注目に値します。
■鳥ではウグイスとホトトギスが盛んに鳴いています。
■知人のSA氏が小学生のお子さんとゲレンデを訪れて
アサギマダラ2個体を初標識して東京に戻りました。
どこかで再捕獲されるといいと思います。
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■筆者(栗田)が関わったアサギマダラの移動個体のリストおよび、
それらを日付順に追った時系列的な表は
筆者のHPの「2009年の移動調査記録」
の頁に表示してあります:
●2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
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■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●SRS研究所の公式HP[SRS速読法・SRS能力開発法指導]
<参考HP>
●2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
●グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
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