08年8月8日に、アサギマダラの4日目のマーキング調査をしました。
雨天でしたが、一応各所の様子を見て回りました。
■午後は雨も止んで曇り状態になり、温度も22度程度で、無風でしたが、
蝉も鳴かず、鳥もほとんどなかず、アサギマダラもほとんど見かけず、
「沈黙の数時間」を体験し、不思議な印象を受けました。
小雨の降っていた朝の方が多くの生き物を見ました。
毎年、このような時間帯を1、2貝経験します。そのような
「生き物の空白の時間帯」が起きる本当の理由は不明です。
少なくとも、温度が原因とは思えず、気圧も特別な状況は考えられず、
謎としか言いようがありません。
■朝の局所天気予報では、8月8日の6時から12時までの降水確率は
40%で、12~18時は30%、18~24時は40%でした。
天気予報としては午前中は弱雨、午後は弱雨から曇りに
移行することとなっていました。
なお、夜の時点で、明日8月9日の 降水確率は40%となっています。
■標識したアサギマダラはSRS1717から1790までの74頭。
■8月5日、8月6日に標識した個体の自己再捕獲はありませんでした。
8月7日は0頭でした。したがって、どう考えても頭数推定はできません。
■雌は8頭で割合は8.1%。
このうち、1例のみ交尾済で、交尾痕と硬結がありました。
ただし、この個体は破損もひどく(四枚とも破損あり)、
新しい世代ではなく、現在ここに集まっている多くのアサギマダラの
親にあたる世代(おそらく北上してきた個体)と考えられました。
■翅に変形のある個体は1例ありました(SRS1782。割合は1.35%)。
■午前中は、グランデコホテルにおけるアサギマダラ観察会の初日でしたが、
参加者の標識数合計は雨のために大変少なかったと思われます。
■8月8日現状を考察すると、標高1400m前後では、
ヨツバヒヨドリの開花がまだ2割程度であり、
例年に比べると開花が遅く不十分なので、
その分アサギマダラの誘引力も少ない段階にあると思われます。
前年にはこの頃すでに1万頭の推定頭数がゲレンデにいたと
考えられましたが、今年は、(標識頭数が少ないためもあり)
自己再捕獲もできない状況なので十分な推定はできませんが、
現在の唯一の推定頭は8月6日の記事に記載した
2000余頭という値のみです。
開花が不十分な理由は、雨が続いたことによる日照不足に
起因すると推定されます(いまだに梅雨開けになっていません!)。
以上から、今年のゲレンデ周辺にいるアサギマダラの頭数は
前年の同時期に5分の1以下と思われますから、
現状のデータを延長すれば、
「今年度の総標識数は3000頭程度を目指すのが妥当」と思われます。
■ゲレンデではブタクサの開花を見始めました。
ゲレンデの一角に残してある雪の固まりが、次第に消滅しつつあります。
■なお、ホテルの庭ではこの日、燕の飛来を見ることができました。
毎年、この時期になると燕を多く見るようになります。
標高の低いところから、上がってくるのであろうと思います。
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■筆者(栗田)が関わったアサギマダラの移動個体のリストおよび、
それらを日付順に追った時系列的な表は
筆者のHPの「2009年の移動調査記録」
の頁に表示してあります:
●2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
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■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●SRS研究所の公式HP[SRS速読法・SRS能力開発法指導]
<参考HP>
●2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
●グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
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