08年8月12日に、アサギマダラの8日目のマーキング調査をしました。
■9~10時台は細かい雨が降ったり、曇ったりしていましたが、
11時過ぎから、雲が切れて、青空が見えてきました。
8月にマーキングに来てから初めて磐梯山の姿が見え、
心地良い数時間を過ごすことができました。
気温は24度程度でした。
■アサギマダラはSRS1916-2100の185頭に標識をしました。
例年に比べると個体数は少なく、
ぽつりぽつりと見つけては標識をする状況です。
■雌は24頭で、割合は13.0%でした。すべて未交尾です。
古い個体はいませんでした。
翅の形に異常が見られる個体もいませんでした。
小型の個体が一例いました(SRS1975。雄)。
小型の個体は、08年には8月下旬に多く現れました。
今年はまだほとんどいません。
■ヘアペンシルの出た雄が1例いました(SRS1922)。
右側だけ出た個体でした(ヘアペンシルは両方出ている
個体は稀です)。
09年夏のデコ平では2例目になります。
本日までに628例標識した中で2例という割合です(0.32%)。
雌は古い個体1例を除くすべてが未交尾ですから、
ヘアペンシルが出ていても、交尾に直結するわけではないことが
このことから推測できます(すなわち、8月のグランデコでは、
ペアペンシルの個体を500頭に1頭くらいの割合で見るのですが、
実際にはほとんど交尾をしませんので、ヘアペンシルがそのために
使われているとは思いがたいです)。
■8月11日に標識したアサギマダラを2例自己再捕獲しました。
SRS1876とSRS1869です。
これから、推定値は前日が91頭ですから、
91×185/2=約8418
となります。すなわち、デコ平のアサギマダラは倍近くに増えたことが
推測されます。
いよいよデコ平にアサギマダラが増える兆しが見えたと言えるでしょうか。
■参考までに、8月9日の34例中の1例、
8月8日の74例中の2例、
8月6日の212例中の5例、
8月5日の32例中の1例、
という具合に再捕獲しました。
これらに関して、形式的な推定を行うと、順に
34×185/1=6290
74×185/2=6845
212×185/5=7844
32×185/1=5920
となります。これらにはより強い仮定が必要ですが、
計算結果を見ると、8418例という推定値をある程度支持する
値になっています。
■アサギマダラが好きなコシアブラの樹の一本に、
前日より多くのアサギマダラが吸蜜に来ていました。
小雨が降っているときは、ヨツバヒヨドリよりも
コシアブラに集まる傾向が見られます。
今回は1本の樹木で30頭を捕獲して標識できました。
■コシアブラに集まった雌は30例中6例で20%でした。
一方、コシアブラ以外で捕獲したアサギマダラは155例ですが、
その中に雌は18例いました。その割合は1.6%です。
これから、コシアブラには、ヨツバヒヨドリよりも
より多くの雌が集まることが推測されます。
■今朝の段階での北塩原村近域の予報は以下の通りでした:
降水確率は30%(~12時)、10%(12~18時)、20%(18~24時)。
天気は曇りとなっていました。
実際は、午前中のゲレンデでは細かい雨が降っていました。
昼頃になって日ざしが見えて来たのでした。夜には再度雨が降りました。
明日の予報は降水確率20%で、12時に晴れ間が見え、
予報では18時以後は雨で、他は曇りとなっています。
■この日は早目に下山し、標識が低いところでは雨が降っていなかった、
五色沼の柳沼、青沼、るり沼、檜原湖の湖岸などを散歩し、
風景を撮影しました。しかし、夕方になって
天気予報にはない小雨が降り始めました。
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■筆者(栗田)が関わったアサギマダラの移動個体のリストおよび、
それらを日付順に追った時系列的な表は
筆者のHPの「2009年の移動調査記録」
の頁に表示してあります:
●2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
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■タテハチョウ科マダラチョウ亜科(以前はマダラチョウ科とすることもあった)アサギマダラ属アサギマダラ。学名Parantica sita 。英名Chestnut Tiger。
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■本ブログの総合的な画像目次や、ブログ内容を地域毎・テーマ毎にまとめた画像目次を下記のHPから見ることができます。
●SRS研究所の公式HP[SRS速読法・SRS能力開発法指導]
<参考HP>
●2009年アサギマダラ移動調査記録(SRS)
●グランデコ・デコ平・裏磐梯でのアサギマダラ・自然旅行体験(SRS研究所)
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
●3Dアサギマダラの世界(SRS)
●SRSアサギマダラ生態図鑑
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