その花には受粉のドラマがある。
水中から出て来た蕾は夕方開くがこのときは真っ白い花であり、
強い香りを発して特定のコガネムシを引き寄せる。
やって来た多くのコガネムシたちは花の奥に潜り込んで、
そこにある糖分を含む炭水化物を食べながら一晩を過ごす(蜜はない)。
翌朝、花は数多くのコガネ虫たちを入れたまま
がっちりと閉じてしまい一日を過ごす。
コガネムシたちは丸一日幽閉されるのだ。
2日目の夕方になると花は2度目の開花をする。
この2日目の花は何と赤くなっている。
このとき丸一日閉じこめられたコガネムシは、
花粉をいっぱいつけた状況で解放される。
そして、ちょうどその頃咲き出した
別な株の開花初日の白い花に飛んでいって再度潜る。
するとその別な株の花の雌しべには
最初の株の花粉がつけられて受粉が成立する。
2日目の赤い花はもはやコガネムシを呼ばず、翌朝閉じてしまう。
やがて花は再度水中に潜って、種子を作り始める。
出来た種子には綿毛が付いていて、浮力があり、
浮かんで別な場所に行き、そこで新たな成長を開始する。
漠然と見ていると分からないが、
生命には想像を超える不思議な仕組みがあるものだ。
■下記のブログ記事も参照してください:
「04/20● オオオニバスの巨大な葉は1週間で成長する
(沖縄にて、オオオニバスNo.2)」
http://srs21.blog59.fc2.com/blog-entry-620.html
「03/28● オオオニバスの花は睡蓮を連想させる白または赤の花で
2日間だけ咲く(沖縄、オオオニバスNo.1)」

[070317]国営沖縄記念公園・海洋博公園。熱帯ドリームセンター。
スイレン科オオオニバス属オオオニバス(大鬼蓮)。学名Victoria regia(またはVictoria amazonica)。英名Victoria regia。
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